脊髄小脳失調症6型の線条体機能についての研究

ページ番号1001728  更新日 令和2年6月26日 印刷 

名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院 第2神経内科
堀本 佳彦

脊髄小脳失調症6型 (SCA6) は、CACNA1A遺伝子にCAG繰返し配列延長を伴う常染色体優性遺伝性疾患で、純粋小脳失調症であると強調されてきた。本研究では、本人または血縁者の遺伝子診断がなされた、SCA6患者4家系 6例を対象とした。対象中1例のみに、パーキンソニズムを認めた。[18F]Fluoro-L-dopa (ドパミン代謝) および [11C]Raclopride (D2受容体機能) を用いたPETにより、ドパミン系機能を評価した。参照領域として、SCA6患者でも萎縮が目立たない後頭葉を用い、尾状核および被殻のD2受容体機能を評価した。各集積の対後頭葉比を、健常対照と比較した。

SCA6患者のドパミン系機能をPETにより評価、6例中5例に何らかの異常を認めた。純粋小脳失調症の例が多いSCA6だが、パーキンソニズム例の他、パーキンソニズムのない例にもドパミン系の異常は認められた。SCA6の病変分布は多様で、黒質線条体系にもおよび、進行してパーキンソニズムを呈することもありうると示唆された。