映像記録型ドライブレコーダを用いた実車運転評価法の検討

ページ番号1001716  更新日 令和2年6月27日 印刷 

名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院 作業療法科
田中 創

本研究では、医学的・法的に運転再開を許可された高次脳機能障害者に対して、映像記録型ドライブレコーダを用いて実車運転評価を行った。
教習指導員の模範運転と比較すると、高次脳機能障害者は、交差点進入時の減速が不十分であり。道路状況に応じた速度調節が不十分であった。他車両の動きや信号変化への反応が遅く急ブレーキで危険回避する傾向がみられ、走行中の状況判断と危険予測が不十分であった。高次脳機能障害者は、配分性注意機能の低下、ワーキングメモリーの低下といった機能特性を有しており、同時に処理すべき情報量が多い場面では運転エラーが表面化する可能性を示唆しており、シミュレーターを用いた先行研究の結果を支持する。