タウプローブを用いたPETによる神経変性疾患研究

ページ番号1001719  更新日 令和2年6月26日 印刷 

名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院 第2神経内科
堀本 佳彦

タウはアルツハイマー病やピック病、進行性核上性麻痺、大脳皮質変性症などの神経変性疾患において患者脳に蓄積しており、その有無は病理診断に重要な役割を果たす。神経変性疾患患者の多くは、死後の病理解剖でようやく診断が確定する。存命中の患者脳でタウ蓄積の有無が確認できれば、臨床診断の確実性が増し、治療上も非常に有用である。国内では現在、PBB3やTHK-5351といったタウPETプローブが開発され、実用化に向け臨床研究が進んでいる。これが神経内科診療に活用できれば、病理確定診断に近い臨床診断ができる。
タウPET実用化のため、開発元である東北大学とTHK-5351の供給契約を締結し、PET薬剤合成の準備を開始した。