脳卒中後上肢麻痺に対するロボット療法を併用したCI療法の効果検証

ページ番号1001723  更新日 令和2年6月26日 印刷 

名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院 作業療法科
庵本 直矢

本研究では、脳卒中後上肢麻痺を呈した亜急性期患者に対してロボット療法とConstraint-induced movement therapy(CI療法)を併用した訓練(併用療法)を提供することで、より効率的かつ効果的に上肢麻痺と麻痺手を使用したADL動作の改善が可能であると仮説を立て、有効性を検証した。

対象者にはReoGo®-J(帝人ファーマ、日本)を使用したロボット療法が1日40分間、CI療法が1日40分間提供された。11人中10人が訓練を完遂したが、1人の対象者は訓練期間中に退院となったため、訓練を完遂できなかった。上肢機能に関しては、訓練前後においてFMAの上肢項目と近位部項目、STEFにおいては有意な改善を認めていた。また、 MAL-AOUやMAL-QOMにおいても介入前後で有意な改善を認めており、日常生活上における麻痺手の使用行動に関しても改善を認めていた。亜急性期での脳卒中後の上肢麻痺に対するアプローチとしてエビデンスが確立されている、ロボット療法とCI療法を組み合わせた訓練を行うことにより、各治療法の長所が短所を補完し、より一層上肢麻痺に対する有効的な治療法となる可能性が示唆された。