課題番号2022002

ページ番号1002272  更新日 令和4年6月16日 印刷 

研究課題

脳脊髄液領域における放射性薬剤分布測定法の妥当性に関する検討

研究責任者

名古屋市総合リハビリテーションセンター 企画研究局企画研究室 診療放射線技師 林絵美

研究組織

附属病院 脳神経外科 医師 間瀬光人 データ解析
企画研究室 企画研究室長 日比野新 データ解析および個人情報保護管理

研究期間

令和4年6月6日~令和5年3月31日(予定)

対象者

  • 平成25年3月~平成25年12月までに医学研究課題「新しいPETカメラ(mCT)を用いた検査のnormal data baseの構築」研究にご協力いただいた方で、[18F]FDG、[18F]FDOPA、[11C]ラクロプライド検査およびMRI検査を実施した方
  • 平成27年1月~平成29年4月までに医学研究課題「脳脊髄液のリンパ系ドレナージから見た特発性正常圧水頭症の病態解明」研究にご協力いただいた方で[15O]H2O検査およびMRI検査を実施した方

利用する情報

・基本情報(性別・年齢・疾患名・既往歴)
・PET画像
・MRI画像

情報の管理

当事業団の個人情報の保護に関する規程に従って管理を行う。研究用に抽出した解析用データは個人が特定できないように情報を加工し、企画研究局サーバー内で管理する。得られた研究成果については、各研究者が学会および論文等で発表する可能性があるが、個人を特定できるような情報は含まれない。

研究目的

PET画像は装置固有の物理的な空間分解能の限界および画像再構成時の各種画像処理効果による分解能の劣化が存在する。そのため、PET画像から計測する放射能濃度値は、真の値より過小評価となる場合や、逆に測定領域の周囲に存在する放射能成分の影響で過大評価となる場合がある。これは部分容積効果といわれ、従来からの課題である。
血流が豊富な脳組織において、脳組織に接する脳室やくも膜下腔は、周囲に存在する高濃度放射能からの部分容積効果の影響をうけ、単に数値計測するのみでは過大評価となる。本研究の目的は、関心領域外からうける過大評価成分を推定し、脳脊髄液領域における正味の放射性薬剤分布を測定する方法を提案することであり、本研究は、脳組織に瞬時に自由に拡散する[15 O]H2O検査と、一方でPET収集時間程度の短時間では脳脊髄液内へ薬剤が移行しない[18F]FDG、[18F]FDOPA、[11C]ラクロプライド検査において本手法を適応し、脳脊髄液領域における正味の放射能濃度分布を比較し妥当性を調査するものである。

研究方法

(1)既に収集済みのPET・MRI画像データを画像処理装置(OsiriX,Pmod)に転送し、PETとMRIの画像位置あわせを行い、 MRI画像の解剖学的位置情報を元に脳領域を自動抽出する。関心領域(Region of Interest、以下ROIとする)の設定は、自動抽出に加えて、脳神経外科医の手動によるROI設定を行う。
(2)各PET画像より放射能濃度計測データを取得し、時間放射能濃度曲線を作成する。
(3)脳脊髄液領域の数値計測に、部分容積効果の影響を与える領域を決定し、過大評価の程度を推定し、ROIの正味放射能濃度分布を得る。
(4)[15O]H2O、[18F]FDG、[18F]FDOPA、[11C]ラクロプライド検査における脳脊髄液領域の放射能濃度分布を比較し、統計学的有意差検定を行う。

本研究に関する連絡先

名古屋市総合リハビリテーションセンター 企画研究局企画研究室 林絵美
愛知県名古屋市瑞穂区弥富町密柑山1-2
電話:052-835-3811

情報公開文書

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