課題番号2023003

ページ番号1002536  更新日 令和5年10月24日 印刷 

研究課題

ドライビングシミュレーターからみた脳損傷者の運転行動特徴

研究責任者

名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院 第1リハビリテーション部 作業療法科長 田中 創

研究組織

第1リハビリテーション部 作業療法科 作業療法士 川上拓人、庵本直矢、福井樹理、堀美月、青山奈央子、池場奈菜、一色めぐみ、渡邉史織、小林直樹、古木希春、塚本倫子、市川舞、山鹿隆義
なごや高次脳機能障害支援センター 作業療法士 吉原理美
附属病院参事 理学療法士 萩原康仁
附属病院長 医師 日比野敬明
第1脳神経内科部 第1脳神経内科部長 医師 稲垣亜紀
第1脳神経内科部 医師 鈴木鮎子
企画研究室長 リハビリテーション工学技師 日比野新

研究期間

開始:2023年10月20日   終了:2025年1月31日

対象者

対象は、以下の適応基準すべてに該当する患者様です。
<適応基準>

  1. 対象疾患
    医師から脳損傷(脳血管障害、外傷性脳損傷、低酸素性脳症、脳炎、脳腫瘍)と診断され、当センターにて自動車運転適性評価を実施した方。
  2. 対象年齢および性別
    20歳以上65歳未満の方で性別は問いません。
  3. 入院・外来の別
    当センターに入院中および外来通院中の方
  4. 発病前の運転状況
    発病前に週1回以上の頻度で自動車を運転していた方
  5. 運転免許証の保有
    有効な自動車運転免許証を保有している方

<除外基準>

  1. 身体に明らかな麻痺がある方
  2. てんかんの既往がある方
  3. 独歩困難で日常生活動作が自立していない方

対象者の選定方法

上記、適応基準および除外基準を満たす方のうち、左半球の脳損傷がある方30名、右半球の脳損傷がある方30名を先着順に研究対象者とします。

利用する情報

電子カルテより、基本情報(年齢、性別、診断名、脳損傷部位に関する画像情報、発症日)、運転に関するアンケート調査結果(運転目的、運転免許証取得からの年数、運転頻度、事故・違反回数)、MMSE(知的機能)、TMT(注意機能)、FAB(遂行機能)、REY複雑図形模写(構成)・再生(視覚性記憶)の情報を収集します。ドライビングシミュレーターにおける、反応時間測定検査、視知覚認知運動反応検査、ペダル踏み替え検査結果を電子カルテから収集します。また、市街地走行、雨・夜の運転、突発的な場面での回避行動、高速道路における合流・車線変更を含む応用的な運転技能(模擬運転操作検査)の結果を電子カルテから収集します。

情報の管理

当事業団の個人情報の保護に関する規定に従って管理を行います。

研究目的

本研究の目的は、ドライビングシミュレーターにおける運転行動特徴について、日常的に自動車を運転している健常者と比較することで、脳損傷者の運転行動特徴を明らかにすることです。

研究方法

1.データの取得方法
電子カルテより、基本情報(年齢、性別、診断名、脳損傷部位に関する画像情報、発症日)、運転に関するアンケート調査結果(運転目的、運転免許証取得からの年数、運転頻度、事故・違反回数)、MMSE(知的機能)、TMT(注意機能)、FAB(遂行機能)、REY複雑図形模写(構成)・再生(視覚性記憶)の情報を収集します。ドライビングシミュレーターにおける、反応時間測定検査、視知覚認知運動反応検査、ペダル踏み替え検査結果を電子カルテから収集します。また、市街地走行、雨・夜の運転、突発的な場面での回避行動、高速道路における合流・車線変更を含む応用的な運転技能(模擬運転操作検査)の結果を電子カルテから収集します。

2.解析方法
記述統計

対象者の基本情報および運転状況に関するアンケート結果に基づき、年齢、性別、事故・違反の有無、運転の目的、一週間の平均的な運転頻度、一週間の平均的な総運転距離に関して、患者さんと健常者の2群に分けて統計値を算出します。また、患者さんの脳損傷半球別(左・右)に2群に分けて統計値を算出します。

患者さんと健常者の比較

患者さんの機能特性を明らかにするために、高次脳機能検査結果(MMSE、TMT、FAB、REY複雑図形模写・再生)について、健常者と比べて統計値の差を比較します。
患者さんの運転行動特徴を明らかにするために、ドライビングシミュレーターにおける反応時間測定検査、視知覚認知運動反応検査、ペダル踏み替え検査、模擬運転操作検査について、患者さんと健常者の2群間の差を比較します。また、患者さんの脳損傷半球別(左・右)に2群に分けて統計値を算出します。

患者さんの自動車運転に影響を及ぼす要因の検討

患者さんの自動車運転に影響を及ぼす要因について検討するために、患者さんの高次脳機能検査結果(MMSE、TMT、FAB、REY複雑図形模写・再生)とドライビングシミュレーターで収集した検査結果(反応時間測定検査、視知覚認知運動反応検査、ペダル踏み替え検査、模擬運転操作検査)との相関係数を求めます。

本研究に関する連絡先

名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院 第1リハビリテーション部 作業療法科長 田中 創
愛知県名古屋市瑞穂区弥富町字密柑山1-2
電話:052-835-3811(内線761 作業療法科)

情報公開文書

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