学会発表 令和6年度(44件)

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  • 川上拓人
    新人作業療法士による目標設定ツールを用いた目標動作の焦点化と難易度調整-上肢麻痺を呈した事例に対する集中的作業療法を通して-
    第32回愛知県作業療法学会
    2024年5月19日
    ウインクあいち
    新人作業療法士が目標設定ツールを用いて脳卒中後右上肢麻痺を呈した事例にOT介入を行った。介入当初は本人の希望や能力に沿った課題設定が不十分であった。COPMを用いた作業面接とGASを用いた目標動作の段階付けの整理を行ったことで,対象者の希望や能力に応じた課題設定が可能となり,介入前後の各アウトカムで改善を認めた。
  • 中川有花、石川梢子、宇井瑞希、野末茉莉奈、石黒正樹、松井京子、成田ひとみ
    高齢心大血管疾患リハビリテーション患者における吸気筋トレーニングの実際と工夫
    第32回愛知県理学療法学術学会
    2024年5月19日
    ウィルあいち
    【はじめに】当院では令和5年度より心大血管疾患リハビリテーション(以下、CR)患者を対象とした吸気筋トレーニング(以下、IMT)を導入している。今回、高齢者特有の機能低下等に対する工夫について報告する。【対象】65歳以上の入院患者4名、外来患者8名の計12名。【経過】IMT導入において、理解の不十分さ、胸郭の可動性や口腔機能の低下、腹式呼吸の習得困難等の課題が生じ、対策が必要であった。【結論】高齢CR患者に対するIMT導入には個別の課題に対する丁寧な説明や指導が求められる。
  • 角友華、生田旭洋、石黒正樹、岩田亜由美、長野友里、植木美乃、石田和人
    当院における勤労者世代の脳卒中後抑うつ状態と意欲低下の関係性について
    第32回愛知県理学療法学術学会
    2024年5月19日
    ウインクあいち
    【目的】脳卒中後抑うつ状態における患者数や意欲低下との関係性について明らかにすること。【方法】対象は20~64歳で初発の脳卒中患者40名とし、評価は、抑うつ、意欲低下、身体機能、認知機能、ADLについて実施した。【結果】脳卒中後抑うつ状態にある患者が42.5%を占めることが判明し、抑うつと意欲低下は有意な相関を認めた。【結論】 勤労者世代における脳卒中患者のうち約4割が脳卒中後抑うつ状態にあることが明らかとなり、意欲低下にも影響していることが示唆された。
  • 生田旭洋、石黒正樹、岡元信弥、若泉賢也、石田和人、植木美乃、稲垣亜紀、堀本佳彦
    高頻度反復性経頭蓋磁気刺激と集中的理学療法の併用において、体幹機能訓練が歩行能力に及ぼす持続的効果
    第65回日本神経学会学術大会
    2024年6月1日
    東京国際フォーラム
    【目的】下肢への反復性経頭蓋磁気刺激(以下;rTMS)後の理学療法において、体幹機能が歩行能力に及ぼす影響を検討した。【方法】脳卒中患者20名を、下肢rTMS+下肢機能の理学療法を実施した群、下肢rTMS+下肢機能と体幹機能の理学療法を実施した群に分け、下肢機能や歩行能力を比較した。体幹機能にアプローチした群では下肢機能と歩行能力の向上を認めた。【考察】rTMS後の歩行能力の向上には、下肢機能に加え体幹機能の向上を図った方が治療効果とその持続性に寄与する可能性が示唆された。
  • 若泉賢也
    A型ボツリヌス治療における施注部位の違いが歩行能力に及ぼす影響
    第61回日本リハビリテーション医学会学術集会
    2024年6月15日
    渋谷ヒカリエホール
    【目的】脳卒中後のA型ボツリヌス治療において、施注部位の違いが歩行能力に及ぼす影響を検証した。【方法】慢性期片麻痺患者23名を下腿に施注した群、下腿と大腿へ施注した2群に分け、施注前後で関節可動域、筋緊張、歩行能力を比較した。【結果】両群ともに足関節背屈可動域および底屈筋筋緊張において改善を認めたが歩行能力は有意差を認めなかった。【考察】施注部位に関わらず歩行能力に及ぼす影響が低いことが示唆された。
  • 庵本直矢、渡邉史織
    脳卒中後重度上肢麻痺を呈した症例に対するボツリヌス療法とBrain Machine Interfaceによる訓練の併用療法
    第61回日本リハビリテーション医学会学術集会
    2024年6月13日~16日
    渋谷:セルリアンタワー東急ホテル・渋谷エクセルホテル東急・渋谷ヒカリエ・渋谷区文化総合センター大和田
    Brain Machine Interfaceトレーニングとボツリヌス療法を組み合わせた介入を生活期脳卒中後上肢麻痺患者に提供した。結果として、MASにおける筋緊張の低下を認めたが、FMAにおける上肢運動麻痺の改善は認めなかった。一方で、脳波における運動感覚関連領域における活性化率は改善傾向を示していた。
  • 渡邉史織、庵本直矢
    亜急性期における脳卒中後上肢運動失調に対するロボット療法の有用性
    第61回日本リハビリテーション医学会学術集会
    2024年6月13日~16日
    渋谷:セルリアンタワー東急ホテル・渋谷エクセルホテル東急・渋谷ヒカリエ・渋谷区文化総合センター大和田
    運動失調では振戦や推尺障害などリーチ運動における上肢機能障害を生じるが、エビデンスを示す治療法は存在していない。ここで、脳卒中後の運動失調に対して、集中的な課題指向型訓練と上肢のロボット療法(以下RT)と自主練習として組み合わせた併用訓練がどの程度効果を示すのか確認した。上肢の操作性と運動失調には強い関係があることが示され,脳卒中後の上肢運動失調を呈する患者の上肢操作性の改善には座位,立位のバランス機能・上肢の運動失調が重要な役割を担っていることが明らかとなった.
  • 間瀬光人、林絵美、日比野新、伊藤由麿、山田茂樹、森悦朗
    脳幹がくも膜下腔への水分子の主要供給源か?:PET study.
    京都髄液フォーラム2024
    2024年8月4日
    京都市
  • 田中芳則
    テレビが聞けるラジオに関する代替手段の紹介
    第38回リハ工学カンファレンスin東海
    2024年8月23日
    日本福祉大学東海キャンパス(愛知県東海市)
    なごや福祉用具プラザは介護実習・普及センターとしての活動や相談のほか、障害者の日常生活用具給付の問い合わせもあり、そのうち「テレビが聞けるラジオ」は年に数件の相談を受けている。このラジオは視覚障害者向け専用機で、2019年10月に販売が終了し、現在は入手できないが名古屋市では給付種目として残されている。なお入手を希望される方には代替機等の案内をしている。今回、代替機等を選ぶポイントを紹介し、その情報を利活用していただくため報告を行った。
  • 大河原裕貴、秋田直洋、石川舞、加藤真弓
    上肢障害者のアーチェリーにおける行射方法について
    第38回リハ工カンファレンスin東海
    2024年8月24日
    日本福祉大学東海キャンパス(愛知県東海市)
    アーチェリーは両手を使い弓と弦を引き分け、数十メートル離れたターゲットに向けて矢を放つスポーツである。今回、引き分ける動作に支障のある上肢に障害のある方が、自助具等を使いアーチェリーを楽しんでおられる事例を紹介する。
  • 冨板充、加藤朗、三宅光紘
    介護ロボット導入支援スキームを用いた障害者就労支援における  SEM Glove の活用と効果
    第38回リハ工学カンファレンスin東海
    2024年8月24日
    日本福祉大学東海キャンパス(愛知県東海市)
    脳血管障害者は運動麻痺が残存した場合、片手作業中心の作業訓練や職場の環境調整支援をすることが多くモチベーションを低下の原因となる。麻痺側手指の残存機能を補うパワーアシストグローブ(Soft Extra Muscle Glove,以下SEM Glove)を導入支援することで、作業性と訓練継続のモチベーションが向上し、後に作業所へ社会復帰するなど、活動と参加が変化したケースについて介護ロボット導入支援スキームにならい支援導入の工程、役割、目標を明確にした。
  • 長束晶夫、冨板充、長尾美幸
    名古屋市介護ロボット等活用推進事業の報告
    第38回リハ工学カンファレンスin東海
    2024年8月24日
    日本福祉大学東海キャンパス(愛知県東海市)
    なごや福祉用具プラザでは介護従事者の負担軽減や定着、介護の質の向上を目的として、介護ロボットの活用を推進するため、令和元年度から名古屋市介護ロボット等活用推進事業を実施している。これまでの介護ロボットに関する相談、伴走支援、普及啓発などの取組から介護ロボットの導入・活用効果、必要な事項、課題や今後の展望について報告する。
  • 長尾美幸、長束晶夫、冨板充 
    名古屋市介護ロボット導入効果検証事例報告
    第38回リハ工学カンファレンスin東海
    2024年8月24日
    日本福祉大学東海キャンパス(愛知県東海市)
    名古屋市の介護ロボット推進事業は、介護現場でのロボット導入効果を検証し、介護従事者の負担軽減や介護の質向上を目指している。この事業では、特別養護老人ホームや老健施設で実施した導入結果から、腰部負担の軽減や転倒事故の予防など、具体的な成果が確認されている。今後は、現場のニーズに即したロボットの導入促進を進めるため、協力事業所やロボットメーカーとの意見交換会を開催しながら、地域への情報発信も強化し、他の施設や利用者のニーズに応じた取り組みを広げていく方針である。
  • 佐藤晃、松井和夫、下田誠、向田悦子
    在宅生活における内部障害者の評価と住宅改造
    第38回リハ工学カンファレンス
    2024年8月24日
    日本福祉大学東海キャンパス(愛知県東海市)
    内部障害者は食欲不振、骨格筋量減少等により全身体力が低下するが、併存疾患を除けば、脳神経や運動器の障害は無い。したがって活動制限の程度は、動作観察より主訴で判断することが多いが、それのみで内部障害による特異的な問題とするには不十分である。そこで評価項目に握力、指輪っかテスト、転倒歴等を加えて活動制限を把握し、住宅改造を提案しているので報告した。
  • 鈴木光久、大塚滋、後藤学、佐野明人
    稲穂型歩行支援機の試作
    第38回リハ工学カンファレンスin東海
    2024年8月24日
    日本福祉大学東海キャンパス(愛知県東海市)
    無動力歩行支援機ACSIVEのシリーズで産学連携共同開発。腰の装用のズレが少なくなる新原理と稲穂のようなピアノ線材をばねとした新構造の発明を採用して再設計した。
  • 林絵美、満島岳珠、伊藤由麿、布谷隆史、後藤啓介、亀山祐司、小山修司、福田哲也、飯田秀博、南光寿美礼
    O-15ガスPET検査におけるガス吸入・回収ラインの放射能濃度測定の有用性
    日本核医学会PET核医学分科会PETサマーセミナー2024in高松
    2024年8月30日~9月1日
    Web開催(サンポートホール高松)
    O-15ガス検査は、供給放射能量は濃度安定化装置により一定だが、患者から回収された放射能量は個人差があり正味の投与量の計測は困難である。また、接続不良等による検査室内へのガス漏洩はエリアモニタによる観測が主であり、漏洩事故をいち早く検出することは難しい。本研究は、吸入・回収ラインの放射能測定により、漏洩事故の検出や、正味投与量の算出を可能とする計測システムを紹介し、その有用性について議論する。
  • 渡邉史織、庵本直矢、寳珠山稔
    脳卒中後上肢運動失調を有する患者の上肢パフォーマンスの特性に関する検討
    第18回日本作業療法研究学会学術大会
    2024年8月31日~9月1日
    長崎大学医学部坂本キャンパス 良順会館/オンライン ハイブリット開催
    運動失調患者の運動学的特徴は,運動学習の経過に応じて段階的に変化し,その背景にはそれぞれの段階で動員された運動戦略の相違を反映する可能性があると考える.今回の母集団において
    初期には個々の失調要素を制御するような運動遅延を特徴とする戦略を反映し,2週後にはそこから解放され運動速度が改善し,代償として振戦を増大させる運動戦略を反映したことが示唆された.
  • 庵本直矢,渡邉史織,小林直樹,上村純一
    回復期脳卒中患者における上肢麻痺の回帰式作成-Diffusion Tensor Imagingを含めた検討-
    第18回日本作業療法研究学会学術大会
    2024年8月31日~9月1日
    長崎大学医学部坂本キャンパス 良順会館/オンライン ハイブリット開催
    回復期脳卒中患者における上肢麻痺の予後予測を行うために、回復期に入院してから6週間後のFMA上肢項目を予測する式を重回帰分析にて作成した。その際にDiffusion tensor Imagingから算出した白質線維の損傷程度の指標であるFA値も説明変数として代入した。結果として、Diffusion tensor imagingの指標は必要なく、作業療法士が日常臨床で用いる評価法を組み合わせることで精度の高い予測ができることが示唆された。
  • 日高明子、西井久枝、力武まゆみ、高野郁美、小川洋行、吉川羊子
    名古屋市高齢者排せつケア相談支援事業の現状と課題
    第31回日本排尿機能学会
    2024年9月5日
    ビッグパレットふくしま
    R4年~5年度に、なごや福祉用具プラザで対応した排せつ相談について分析。高齢者の抱える「排せつの問題」を明らかにし、対応方法や関係各所への連携の方法など解決すべき課題を後方視的に検討した。
  • 鈴木美紗、向田悦子、石黒正樹、松尾稔
    障害者支援施設における車椅子利用者の外出グループワークの取り組み
    第40回東海北陸理学療法学術大会
    2024年9月7日~10月10日
    Web オンデマンド
    【目的】当施設に入所する外出経験のない車椅子利用者に対する外出訓練グループワーク(以下;GW)の効果を検討した。【方法】入所している11名に、1回60分、全3回の外出準備学習・外出体験・外出振り返りを実施した。【結果・考察】個別の外出訓練でも得られる気付き以外に代償手段の必要性や自身の移動面における課題について理解を深める機会になった。GWで得られた外出に対する意欲や課題を他職種と共有し、より効果的な代償手段獲得や外出訓練につなげていく必要がある。
  • 向田悦子、宇井瑞希、角友華、石黒正樹、大河原裕貴
    名古屋市障害者スポーツセンターにおける医事相談
    第40回東海北陸理学療法学術大会
    2024年9月7日~10月10日
    Web オンデマンド
    【目的】障害者スポーツ医事相談における現状と課題について報告すること。【方法】令和4年4月から令和6年3月までの相談者数、年齢、性別、手帳区分、理学療法士による対応内容を調査した。【結果】幅広い年齢層が利用しており、身体障害が94%と多くを占めた。相談内容・件数は運動指導(運動負荷量や機器使用の再検討)が最多となった。【結語】障害特性を理解した理学療法士による運動指導は、利用者のスポーツ障害のリスク軽減や事故予防、不安解消、パラスポーツ導入の一助となる。
  • 小林直樹
    回復期脳卒中後上肢麻痺患者に筋電誘発神経筋刺激とミラーセラピーを自主練習で実施した一例
    第23回東海北陸作業療法学会
    2024年9月14日
    石川県文京会館、金沢商工会議所
    脳卒中後上肢麻痺を呈した対象者に電気刺激とミラセラピーを併用した自主訓練を通常の作業療法に合わせて実施した。【結果】FMA-ULが42/66から52/66,STEFは51点から82点に改善した。食事は右手で普通箸を使用し,摂取可能となり,書字も右手で可能となった。【考察】先行研究(Kojima,2014)より少ない実施回数で,上肢機能の回復が得られる可能性が示唆された。
  • 市川舞、福井樹理、庵本直矢
    低酸素脳症後に記憶障害を呈した事例に対する、自己認識の向上を目的とした作業療法介入
    第23回東海北陸作業療法学会
    2024年9月14日
    石川県文教会館、金沢商工会議所
    記憶障害を呈した事例に対し、職業に関連する介入と記憶に対する代償手段の活用を目指した介入を、自己認識の向上を目的として行った。その結果、記憶障害に対する自己認識の向上とともに代償手段を獲得し、復職に至った。本人の大切にしている作業に着目して課題提供を行ったことが気づきに繋がり、記憶障害への自己認識が向上したことで、適切な代償手段を検討できるようになり、復職に至ったと考える。
  • 塚本倫子
    遂行機能に低下がある高次脳機能障害者に対するグループワークの実践
    第23回東海北陸作業療法学会
    2024年9月14日
    石川県文教会館、金沢商工会議所
    障害者自立支援施設を利用する高次脳機能障害者に対し、遂行機能や障害認識の向上、代償手段の獲得を目的にグループワークを実施した。内容は、遂行機能の講義、外出計画の立案、外出、振り返りの順に行った。結果、BADSの質問表で、10名中7名の点数向上項目があった。また、自らの外出する上での行いづらさに対する気づきや、満足度の高さも見られ、遂行機能に対するグループワークの有効性が示唆された。
  • Mase M、 Hayashi E、 Hibino S、 Ito Y、 Iida A、 Miyati T、Yamada S、 Mori E
    Water molecule movement and turnover in brain and CSF spaces evaluated by H215O Dynamic PET.
    The 16th meeting of the Hydrocephalus Society (Hypercephalus 2024)
    2024年9月15日
    愛知県産業労働センターウインクあいち
  • 古橋友則、高戸仁郎、田中雅之、原田敦史、堀内恭子
    視覚障害者の踏切利用の安全性向上のための研究
    第32回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
    2024年9月23日
    日本教育会館(東京都千代田区)
    国交省の「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」策定に資するため、名古屋にある鉄道技術研修センターの踏切設備に、試作した誘導表示を仮設し、実際に18名の視覚障害当事者に歩いてもらうことで、踏切道の出入口の発見や踏切道内の直線歩行に対する有効性について検証した。一定の有効性については認められたが、誘導表示の高さを増す等の改良の必要性も明らかになった。
  • 田中芳則
    難病のある児童・生徒への修学支援事例について~モノづくりによる学校との連携~
    全国難病センター研究会第40回研究大会
    2024年9月27日
    パナソニックリゾート大阪(大阪府吹田市)
    なごや福祉用具プラザで関わった難病のある児童・生徒で既存の福祉用具では合わず、オーダーメイドでの自助具などの製作・改造で対応した事例について紹介する。本研究会では第34回研究大会にて主に病院と連携し、難病のある生徒への通学を支援するために自助具(移乗台)を短期間で製作したことを報告した。今回は学校と連携して小学生から高校生までの3事例についてモノづくり、道具を通じた支援を行った。
  • 清水隆司、戸田海渉、伊藤寛之、石黒正樹
    ボツリヌス療法後に足首アシスト型ロボットを使用した一例-シングルケースデザインによる検討-
    第22回日本神経理学療法学会学術大会
    2024年9月28日
    福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    【目的】ボツリヌス療法後にロボット型短下肢装具(以下;AAD)による歩行練習の効果を検討した。【方法】通常の理学療法と短下肢装具装着下で歩行練習を実施した期間と、通常の理学療法とAADによる歩行練習を実施した期間で、歩行速度、歩行率、Trailing Limb Angle(以下;TLA)、歩幅(麻痺側、非麻痺側)、歩幅比を比較した。効果量判定の結果、「効果的」と判定された項目はなかった。【考察】「効果的」と判定はされなかったが、TLA、歩幅比や麻痺側歩幅は向上する傾向がみられ、AADによる歩行練習を行うことで歩容が改善する可能性が示唆された。
  • 伊藤寛之、庵本直矢、清水隆司、石黒正樹
    重回帰分析を用いた、回復期脳卒中者の下肢運動麻痺予後予測指標の作成
    第22回日本神経理学療法学会学術大会
    2024年9月28日
    福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    【目的】回復期脳卒中患者における下肢運動麻痺の予後予測指標を、神経学的評価と拡散テンソル画像(以下;DTI)を組み合わせ作成すること。【方法】対象は2022年4月から2024年3月に入院した初発脳梗塞患者17名とし、重回帰分析を行った。重回帰分析の結果、Fugl-Meyer Assessment(以下;FMA)下肢と年齢が予測因子として選ばれた。【結果】得られた予測式は「21.484 + 0.833 × FMA下肢 - 0.199 × 年齢」で、R2は0.765となった。【考察】DTI指標は採択されなかったが、FMA下肢の値を用いることで急性期と同様の予測が可能であることが示された。
  • 田中創、吉原理美、日比野新
    右半球損傷者の有効視野と運転行動の関連性
    第8回 日本リハビリテーション医学会秋季学術集会
    2024年11月2日
    岡山国際交流センター(岡山市)
    本研究は脳卒中後の有効視野と運転行動の関連性を探索的に検討することを目的としたケースコントロール研究である。右半球損傷者(19名)は、健常者と(11名)比べて周辺視野の低下がみられた。交差点での右左折時など、低速走行場面では両群の運転行動に有意差は見られなかったが、走行中に左側からの飛び出しへ対処する際は右半球損傷者の減点が有意に多かった。右半球損傷者は走行中の左側からの刺激への対処に着目することが有用である。
  • 生田旭洋、植木美乃、石田和人
    勤労者世代における脳卒中後抑うつ状態の病態解明とその影響因子の探索
    第8回日本リハビリテーション医学会秋期学術集会
    2024年11月3日
    岡山コンベンションセンター
    勤労者世代の脳卒中後抑うつ状態(以下;PSD)は、麻痺が軽度で日常生活能力が高い患者でも発症することが判明した。勤労者世代のPSDは、高次脳機能(意欲、前頭葉機能)に影響していることが示唆され、様々な気分障害を有すると考えられる。
  • 大野陸
    名古屋市障害者スポーツセンターのSNS運用報告
    日本障がい者体育・スポーツ研究会 日本リハビリテーションスポーツ学会合同大会
    2024年11月4日
    障害者スポーツ文化センターラポール上大岡
    数年前より運用を開始した4つのSNS。今後、障害者スポーツセンターとしてのSNS運用方法について分析を行った。また、多く普及しているLINEとInstagramに焦点を当てて紹介した。
  • 守安麻緒、成田圭佑
    こころの健康相談について~名古屋市障害者スポーツセンターでの活用~
    日本障がい者体育・スポーツ研究会 日本リハビリテーションスポーツ学会合同大会
    2024年11月4日
    障害者スポーツ文化センターラポール上大岡
    「こころの健康相談」は利用者が利用に関する不安や悩み事を相談できる場所があることによって、より安心してスポーツ活動ができることを目的としている。今回は開始から現在までの報告と、相談者の変化に焦点を当てながらセンターでの「こころの健康相談」の活用について紹介する。
  • Ayami Yoshihara,Hajime Tanaka,Kyoko Sano,Aki Inagaki
    Supporting adherence to driving resumption procedures for people with brain injury through the distribution of a guidebook
    8th Asia Pacific Occupational Therapy Congress 2024 (APOTC2024)
    2024年11月6日
    札幌コンベンションセンター
    我々は運転免許センターの監修を受け「高次脳機能障害と自動車運転」と題するガイドブックを作成し、運転免許センターへの報告率に寄与するか調査した。当センターで運転評価を受けた脳損傷患者を対象とし、ガイドブックの導入前後で免許センターへの報告率を比較した。結果、報告率は導入前群で46.2%、導入後群90.5%であり、有意な差があった。包括的なガイドブックを提供し、運転再開のための具体的な手順を説明することは、運転再開を目指す脳損傷者が必要な手順を確実に遵守するための効果的なアプローチであることが示唆された。
  • 渡邉史織、庵本直矢、小林直樹、日比野新、寶珠山稔
    Applicability of robotic therapy for upper limb ataxia in subacute stage of stroke
    第8回アジア太平洋作業療法学会
    2024年11月6日~9日
    札幌コンベンションセンター
    今回の研究では、脳卒中後の上肢運動失調において上肢課題志向型訓練とロボット療法の併用訓練は、上肢パフォーマンスや運動失調、患側手の使用行動に影響を与える可能性が示唆された。一方で、発症からの時期やサンプル数、他の療法による影響を考慮すると、今後もサンプル数を増やし対照群を作るなどして併用訓練の有用性について検討していく必要がある。
  • 諸岡雅美、川嶋陽平、佐野恭子、 冨田怜恵、中田三砂子、長野友里、西出有輝子、吉原理美、稲垣亜紀 
    R5年度なごや高次脳機能障害支援センターにおける失語症個別相談支援実績報告-社会参加促進に着目して-
    第48回日本高次脳機能学会
    2024年11月8日~9日
    東京たま未来メッセ
    稼働年齢の失語症のある人(People With Aphasia(以下、PWA))の課題解決のために、令和5年度になごや高次脳機能障害支援センターで行ったPWAへの支援実績から、社会参加を促進する支援のあり方について考察した。言語聴覚士1名が個別相談支援に従事し、相談件数496件。稼働年齢のPWAには、コミュニケーションの環境設定を基盤とした就労を含む社会参加全般への支援コーディネートが必要であり、就労支援の他1)派遣事業の活用2)失語症サロン・友の会への接続支援3)当事者役割創出・遂行の支援を行い、34名の参加先が拡大した。今後以上の取り組みを元に当事者、支援者・機関の意見を聞きながら、失語症支援プログラムの拡充を進めたい。
  • 柏木晴子、塚本倫子、一色めぐみ、福井樹理
    職業復帰に向けて自立訓練と就労移行支援を利用した高次脳機能障害者の自己認識の変化
    第58回日本作業療法学会
    2024年11月9日
    札幌コンベンションセンター(札幌市)
    本研究の目的は,当センターの自立訓練と就労移行支援を利用した高次脳機能障害者を対象に,訓練経過での自己認識の変化を検証することとした.対象者は,当センター障害者支援施設の自立訓練と就労移行支援の2つのサービスを利用した高次脳機能障害者とした。自己認識評価Self-Regulation Skills interview(SRSI)を用いて,自立訓練開始時,自立訓練終了時および就労移行支援終了時の3時点における自己認識の変化を検証した.対象者は,29名(平均年齢46.7±8.3歳)であった.SRSIの点数は,成分1(問題の気づき)は,自立訓練,就労移行支援の期間でともに有意に向上し,成分2(変化への動機付け),成分3(戦略の気づき)は就労移行支援の期間でのみ有意に向上していた.本研究では、自己認識が自立訓練および就労移行支援の期間で段階的に向上する変化が認められた。特に就労移行支援での職業準備訓練や就職活動,復職準備などの経験を通して訓練を通して、認識の向上につながった可能性が考えられる。医療から福祉サービスを利用して就職に至るまで,自己認識を把握しながら継続的に関わることが,職業復帰に向けてより適した支援につながると考える.
  • 田中創、吉原理美、山鹿隆義、日比野新
    脳卒中後の有効視野と運転行動の関連性 -左右損傷半球別にみた探索的研究-
    第58回 日本作業療法学会
    2024年11月9日
    札幌コンベンションセンター(札幌市)
    脳の損傷半球別(左半球損傷14名、右半球損傷10名)に有効視野、危険予測体験結果を比較した結果、両群に有意差はみられなかった。右半球損傷者のみ、有効視野検査と危険予測体験に有意な相関がみられた。有効視野検査は周辺視を反映する検査であり、運転行動との関連性が示唆された。脳の損傷半球によって運転行動に及ぼす影響が異なる可能性があり、脳卒中後の運転行動評価では脳の損傷部位を確認することが重要である。
  • 福井樹理,山鹿隆義
    外傷性脳損傷により高速小字症を呈した1症例
    第48回日本高次脳機能学会 学術総会
    2024年11月9日
    東京たま未来メッセ
    小字症はパーキンソン病に関連していることが多いが、脳損傷によって引き起こされる場合もある。脳外傷後、高速小字症が認めれた症例に対し、先行研究を参考に訓練を実施した。訓練効果は限定的であり、日常生活への汎化は難しかった。運動ペースの調整を行う前頭葉損傷により、ペーシング障害と小字症が共存している可能性が高いと考えられる。小字症の改善には認知負荷を追加するか、過去の習熟動作と異なる方法を行うことで改善する可能性があると考えた。
  • Naoya Anmoto, Shiori Watanabe, Takao Kaneko, Masanori Maeda, Yuho Okita, Takashi Takebayashi
    Effect of combined therapy with robotic-assisted therapy for upper limb rehabilitation after stroke: a systematic review with meta-analysis of randomized control trials
    8th Asia Pacific Occupational Therapy Congress 2024 (APOTC2024)
    2024年12月6日~9日
    札幌コンベンションセンター(札幌市)
    ロボット療法単独と比較して、ロボット療法と他の介入方法を加えることでどのような有効性があるかを検討した。
  • 吉原理美、福井樹理、諸岡雅美、中田三砂子、佐野恭子、松尾稔、稲葉健太郎、稲垣亜紀
    脳損傷後の運転中断に対する集団プログラムの実践
    第8回日本安全運転医療学会学術集会
    2024年12月15日
    一橋講堂(東京都千代田区)
    脳損傷は免許の停止・取消処分の対象となり得るため、すべての脳損傷者が運転を再開できるとは限らない。我々は、移動の選択肢を広げ運転中断準備性を高めることを目的とした集団プログラムを試みた。対象は脳損傷者5名(男性4名,女性1名)で、平均年齢45.2±9.7歳、発症からの期間は374.4±117.5日であった。ARMT-JのSDCである2点以上の変化があった者は3名であり、実際に移動手段の変更を実行した者もいた。本プログラムは運転を中断した生活への準備性が促される可能性がある。
  • 一色めぐみ、田中創
    脳損傷者とその家族を対象とした運転再開支援
    第8回 日本安全運転医療学会学術集会
    2024年12月15日
    一橋講堂(東京都千代田区)
    脳損傷後に医師から運転を許可された本人や家族で運転再開に不安がある方を対象に運転再開支援実施。本人を対象にした支援はあるが、家族を含めた支援は少ない。公道で指導員・家族・作業療法士が同乗し実車教習を行い、運転行動評価表を指導員と本人が記入、同時に運転に関する不安感について本人と家族が記入。実車教習1カ月後に運転行動評価表の振り返りとアドバイスを実施した。結果、実車教習によって得られた評価結果を本人と家族に伝えることで、両者の不安感の差異を軽減することができた。
  • 佐野明人、鈴木光久
    揺れる稲穂型歩行支援機のシェアリングポート
    第25回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2024)
    2024年12月18日
    アイーナいわて県民情報交流センター
    身体から離れた慣性体の揺動によって、新たな歩行状態になり、良い歩行感覚が生まれる無動力歩行支援機の社会実装に向け、揺れる歩行支援機のシェアリングポートに関して報告する。【優秀講演表彰】本講演はSI2024優秀講演賞を受賞した。
  • 間瀬光人、長野友里、佐野恭子、曽我亜紀子、稲垣亜紀、山田和雄
    脳外傷後高次脳機能障害「難民」の現状と問題点
    第48回日本脳神経外傷学会
    2025年2月22日
    都市センターホテル
    高次脳機能障害の診断基準が確定して20年が経過し、認知度は高まったが、全ての患者が適切に診断フォローされているとはいえず、いわゆる高次脳機能障害「難民」が存在するという実態がある。客観的かつ正確な診断・評価法に関する研究が今後も必要であるとともに、対象患者の取りこぼしをなくすようなシステムの構築を検討すべきである。