学会発表 令和2年度(30件)

ページ番号1002175  更新日 令和3年9月21日 印刷 

  • 田中創、伊藤恵美、吉原理美
    ドライブレコーダーを用いた実車運転評価法の開発
    第28回 愛知県作業療法学会
    2020年5月31日
    誌上開催
    本研究では、運転診断機能を有するドライブレコーダーを用いて高次脳機能障害者の運転行動を客観的に評価した。高次脳機能障害者は、走行中に急ブレーキを踏むことが多く、運転診断ではブレーキ、右左折の得点が低かった。運転診断機能を有するドライブレコーダーを評価に用いることで、高次脳機能障害者が運転再開する際の安全教育や自己認識を深める一助になることが期待できる。
  • 吉原理美、伊藤竜二、柏木晴子、田中創、佐藤千賀子
    地域在住高齢者向け自動車運転診断・再教育プログラムの取り組み
    第28回 愛知県作業療法学会
    2020年5月31日
    誌上開催
    地域在住高齢者を対象に自動車運転診断・再教育プログラムを試行的に実施した。プログラムを行った一事例では、神経心理学的検査では明らかな問題はないが有効視野の低下、実車運転時の不安全行動が指摘された。対象者からは安全運転への行動変容につながる発言が得られ、高齢運転者に対して自身の運転を振り返る体験を提供する取り組みが、安全な交通社会への一助となる可能性があることが示唆された。
  • 伊藤竜二、吉原理美、柏木晴子、田中創、佐藤千賀子
    健常高齢ドライバーの運転時の特徴
    第28回 愛知県作業療法学会
    2020年5月31日
    誌上開催
    研究の目的は、高齢者の運転行動を一般健常者と比較することで定量的に評価し、運転行動特徴を客観的に明らかにすることである。高齢者は、有効視野の低下や注意力の低下により入手できる情報量が限定される。交差点は信号や歩行者、他車等、多くの情報が変化し交錯する場所であり、周辺の運転環境を運転者が判断して行動する必要がある。本研究から得られた結果は安全に運転を継続するための指導や支援、運転の中止を検討する際の客観的な判断材料として役立つ可能性がある。
  • 打田佑人、堀本佳彦、高田幸児、岡村信行、松川則之
    剣道歴40年の上級者における慢性外傷性脳症の1例
    第157回日本神経学会東海北陸地方会(web)
    2020年6月20日
    オンライン開催
    剣道歴40年の上級者で30代から慢性頭痛や抑うつ気分、短期記憶障害に苛まれていた患者が、てんかん重積発作にて入院となり精査したところ、後頭部に優位性をもった外傷性病変が散在しており、発作消失後も注意障害を背景とした高次脳機能障害が残存した。抗てんかん薬としてゾニサミド服用後[18F]THK‐5351PETを撮影したところ外傷性病変に一致したタウ沈着とアストログリオーシスを認めた。慢性外傷性脳症は社会的に注目されている疾患であり、脳科学的にもタウ病理を随伴するなど興味深い。剣道特有の前頭頭頂部のみ覆われる面に本症例の慢性外傷性脳症の誘因が潜在する可能性があり重要な問題である。
  • 堀本佳彦、佐藤千香子、稲垣亜紀、田島稔久、日比野敬明、蒲澤秀洋、稲垣宏
    多系統萎縮症の診断率 日本病理剖検輯報に基づく検討
    第157回日本神経学会東海北陸地方会(web)
    2020年6月20日
    オンライン開催
    【目的】多系統萎縮症(MSA)について、わが国の臨床診断の現状を明らかにする。【方法】2007年から2016年までの日本剖検病理輯報収載例から解析
    【結果】剖検率19.7%、正診率(特異度)95.5%に対し、生前診断率(感度)が86.0%と低かった。【結語】臨床診断は特異度に比して感度が低く、また非特異的な生前診断が多くみられて、診断の困難さが浮き彫りにされた。
  • 田島資子、辻朋浩、向田悦子、石川梢子、小川有紀、近藤穣、藤田裕美、戸川真美、白滝龍昭、成田ひとみ
    運動耐容能評価としてのTotal Heart Beat Indexの妥当性 -健常成人による予備的検討-
    第26回日本心臓リハビリテーション学会学術大会(オンライン参加)
    2020年7月18日~8月31日
    オンライン開催
    本研究の目的は、Total Heart Beat Index(THBI)を用いることで、より短時間で運動耐容能評価が可能であるか検討することである。健常者30名を対象に、トレッドミルを用いたCPXを行い、最高酸素摂取量(peak VO2)を計測した。また、快適および努力速度で6分間歩行試験(6MWT)を行い、1分ごとのTHBIを算出した。peak VO2とTHBIの関係性を年齢の影響を除いた偏相関分析を用いて検討した。THBIの再現性を級内相関係数を用いて検討した。その結果、運動耐容能評価として、3分以上の努力速度で2回計測したTHBIを使用することが望ましい。しかし、1分以上の快適速度で2回計測したTHBIもpeak VO2とかなり相関があり、3分以上の努力速度歩行が困難な低体力者においても運動耐容能評価の指標となる可能性が示唆された。
  • 生田旭洋、石黒正樹、田島資子、野末琢馬、中川有花、宇井瑞希、近藤穣、佐藤千香子
    脳梗塞branch atheromatous disease(BAD)発症において骨盤動揺性が著明となり歩行獲得に難渋した一症例
    第29回 愛知県理学療法学術大会
    2020年8月9日
    ウインクあいち
    branch atheromatous disease (以下、BAD)は,脳血管穿通枝入口部の微小アテロームによる閉塞から穿通枝全体が梗塞に陥るとされている(Caplan LR et al.,1989)。レンズ核線条体領域(lenticulostriate artery territory、以下、LSA)が好発領域であり重度の麻痺が引き起こされる可能性があるとされていることからLSA-BAD発症すると歩行の再建に難渋すると予測される。今回、BADにおいて骨盤動揺性を呈した症例を経験したので報告する。歩行困難であった患者に対して、律動的な歩行を行い繰り返し荷重刺激を入力することで最終評価ではT字杖歩行監視レベルまで可能となった。今回、歩行獲得に向けた機能的な問題点として、アライメント変化に伴う抗重力筋の筋力低下、麻痺側での骨盤動揺性が挙げられた。介入当初より律動的な歩行を行った結果、麻痺側への荷重量の増加に伴い下肢支持性が向上したと考える。運動麻痺や骨盤動揺性が顕著な患者に対しても、積極的かつ律動的な歩行を行うことが、歩行再建に有効であることが示唆された。
  • 森田勝、庵本直矢、緒方奈菜、稲垣亜紀、堀本佳彦
    MRI拡散テンソル法を用いた脳卒中後片麻痺患者上肢機能の予後予測
    第61回 日本神経学会学術大会
    2020年8月31日~9月2日
    誌上開催
    本研究は、拡散テンソル法MRI脳画像(DTI)による片麻痺患者の入院時FA比と、上肢機能評価(FMA)および麻痺手行動評価(MAL-A)との関連を明らかにすることである。大脳脚FA比は健常者群よりも患者群で有意に低下していた(p<0.05)。患者群FMAはDTI撮像日から6週間後で有意に改善していた(p<0.05)。大脳脚FA比と撮像6週間後のFMA(r=0.77, p<0.05)、MAL-A (r=0.74, p<0.05)は強い相関を認め、入院時のDTI撮像は、退院時の予後予測に有用であることが示唆された。
  • 柏木晴子、庵本直矢、稲垣亜紀、堀本佳彦、田島稔久
    脳出血片麻痺症例におけるMRI拡散テンソル画像のFA比と上肢機能の経時的変化
    第61回 日本神経学会学術大会
    2020年8月31日~9月2日
    誌上開催
    入院時のMRI拡散テンソル画像で予後不良とされた片麻痺患者に対して、リハビリテーション経過に伴うFA値と上肢機能の変化を報告する。右被殻出血と診断された症例の上肢麻痺に対して電気刺激療法、ロボット療法、CI療法を実施した。結果として入院日から6週間後にかけてFA値の改善と上肢機能の改善を認めたことから、予後不良にみえても積極的なリハビリテーションに意義があると考えられる。
  • 堀本佳彦、佐藤千香子、稲垣亜紀、田島稔久、日比野敬明、蒲澤秀洋
    起立性低血圧と青斑核MRI ニューロメラニン画像との関連
    第61回 日本神経学会総会(岡山)
    2020年9月1日
    岡山コンベンションセンター
    【目的】MRIニューロメラニン画像で観察される青斑核と、自律神経機能としての起立性低血圧との関連を検討した。
    【結果】CRおよび視覚的評価のいずれを用いた場合でも、青斑核描出低下の著明な例では、1例を除き、起立性低血圧が明らかであった。しかしながら、起立性低血圧著明例であっても、必ずしも青斑核の描出が低下しているとは限らず、青斑核以外の病変に起因する症状と考えられる症例もみられた。
  • 田島資子、辻朋浩、伊藤寛之、鈴木美紗、宇井瑞希、近藤穣、小川鉄男、稲垣亜紀、堀本佳彦、津田曜、松川則之
    ヌシネルセン治療中の脊髄性筋萎縮症3.型の成人例に対するHAL®訓練の併用効果
    第61回日本神経学会学術大会
    誌上発表(現地スライド放映:2020年9月3日)
    岡山コンベンションセンター他(オンライン参加)
    SMA3型の成人例に対し、ヌシネルセン投与後にHAL®訓練を実施し、併用効果を後方視的に考察した。HAL®訓練を併用した期間では、ヌシネルセンのみの単独治療期間と比較してより大きな改善を認めた。SMA3型の成人例の治療として、ヌシネルセン治療にHAL®訓練を併用することでより大きな歩行改善効果が期待できることが示唆された。 
  • 吉原理美、伊藤竜二、柏木晴子、田中創、佐藤千賀子
    高齢運転者の有効視野と運転行動特徴
    第54回 日本作業療法学会
    2020年9月25日~10月25日
    オンライン開催
    日常的に運転をしている健常高齢者9名と一般健常者9名の2群において、MMSE、有効視野検査(UFOV®)、実車運転行動評価(DAS)を比較した。高齢者はUFOV®での反応遅延、DASの低下があり、UFOV®とDASの間には負の相関を認めた。認知機能低下のない高齢者においても、有効視野の縮小により標識の見落としなどの不安全行動に影響する可能性があり、有効視野に着目した評価・介入が必要性が考えられる。
  • 庵本直矢、竹林崇、森田勝、池場奈菜、稲垣亜紀
    脳出血後の上肢麻痺の回復と白質線維の変化 ~発症からの時期別での2症例の比較~
    第54回 日本作業療法学会
    2020年9月25日~10月25日
    オンライン開催
    今回は、発症からの時期が異なる回復期脳出血患者2名に対し、課題指向型練習や機能的電気刺激療法、ロボット療法を併用した治療を行い、上肢麻痺の改善とrFA(損傷側FA値/非損傷側FA値)の変化との関連性を検討した。結果として、脳出血発症早期には、上肢麻痺改善に伴う白質の可塑的な変化が生じる可能性が示唆されたが、発症から3カ月以上経過した場合には、白質線維とは別の脳内変化によって、上肢麻痺の改善がもたらされる可能性が考えられた。
  • 上野伊生、福岡良太、神代沙織、小島理香、三好正晃、松尾稔、田中雅之
    自立生活援助での支援内容と効果測定について
    中部ブロック障害者自立訓練事業所協議会・研修会
    2020年10月1日
    オンライン開催
    自立生活援助サービスの終結したケースにおける支援ニーズとそれに対する支援者評価について、利用前後での変化を分析した。支援ニーズとしては、健康面や食生活に関する支援頻度が高くなっていた。また、全体として終了時には必要な支援量は概ね減っていたが、引き続き支援が必要な項目が残る方も多く、いかに地域の社会資源とつなげられるかが重要である。
  • 堀本佳彦、後藤啓介、佐藤千香子、飯田昭彦、稲垣亜紀、田島稔久、日比野敬明、蒲澤秀洋
    MRI拡散テンソル画像による視放線の描出
    第157回 日本神経学会東海北陸地方会
    2020年10月24日
    オンライン開催
    【目的】錐体路などの神経線維連絡の観察に応用されているが、視機能との関連にはあまり報告をみないMRI拡散テンソル画像の、視機能評価への活用を試みる。【方法】脳神経疾患に伴う視野欠損と、MRI拡散テンソル画像による視放線の描出との関連について、健常対照2例と、視野欠損が疑われ視野検査を実施された4例(脳梗塞2例、脳出血1例、脳腫瘍1例)を対象に検討した。【結果】健常対照の視放線は、両側とも良好に描出された。視野欠損が確認された症例では、画像上も患側視放線の欠損が疑われた一方、視野検査にて欠損が明らかではなかった症例にも、視放線描出が不良な例があり、描出状態は症例により多様であった。【結語】MRI拡散テンソル画像により、視放線を描出し得た。描出された視放線と視野欠損との関連は安定的とは言えず、視機能評価への活用には、さらなる検討が必要と考えられた。
  • 石黒正樹、岡元信弥、戸田海渉、早野充浩、野末琢馬、近藤穣、小川鉄男、齋藤恒一、畠中泰彦
    股関節伸展アシスト型歩行支援機ACSIVEを用いた歩行練習が脳卒中片麻痺者1例の歩行に及ぼす即時効果
    第36回日本義肢装具学会学術大会
    2020年10月31日
    東京大学及びオンライン開催
    先行研究にて脳卒中片麻痺患者(以下、片麻痺者)に対する股関節伸展アシスト型ACSIVE(以下、伸展型ACSIVE)の装着効果を報告した。今回、伸展型ACSIVE を装着した歩行練習が、片麻痺者1例の歩行に及ぼす即時効果を明らかにした。伸展型ACSIVE を装着した快適速度の歩行練習は装着効果と異なり、股関節屈曲角度や荷重応答期の股関節最大伸展モーメントの増大に繋がり、歩行能力改善という即時効果をもたらすことが示唆された。
  • 堀本佳彦、後藤啓介、佐藤千香子、飯田昭彦、稲垣亜紀、田島稔久、日比野敬明、蒲澤秀洋
    MRI拡散テンソル画像による視放線の描出
    第58回日本神経眼科学会総会
    2020年11月6日~14日
    オンライン開催
    【目的】MRI拡散テンソル画像は、錐体路など神経線維連絡の観察に応用され、研究報告も増えている。しかし、視機能との関連を検討した報告は、あまり類をみない。MRI拡散テンソル画像の、視機能評価への活用を試みる。
    【方法】脳神経疾患に伴う視野欠損と、MRI拡散テンソル画像による視放線の描出との関連について、視野欠損のない健常対照2例と、神経疾患による視野欠損が疑われ視野検査を実施された4例(脳梗塞2例、脳出血1例、脳腫瘍1例)を対象に検討した。
    【結果】健常対照の視放線は、両側とも良好に描出された。4症例中2例は、視野検査にて欠損が確認されたが、2例では視野欠損は明らかでなかった。視野欠損を有していた2例では、画像上も患側視放線に欠損が疑われた一方、視野検査にて欠損が明らかではなかった症例にも、視放線の描出が不良な例がみられ、視放線の描出状態は、症例により多様であった。
    【考察】MRI拡散テンソル画像により、視放線を描出し得た。描出された視放線には、視野欠損との関連が疑われる異常を認めたことから、今後の視機能評価への活用が期待されたが、安定的な描出とは言えず、撮像手技の検討が必要と考えられた。
  • 林絵美、飯田秀博、後藤啓介、布谷隆史、百石悟、満島岳珠、間瀬光人、飯田昭彦
    15Oガス迅速脳循環代謝PET定量検査における無採血法の推定定量値と実測定量値の比較
    第60回日本核医学会学術総会
    2020年11月12日
    神戸国際会議場(兵庫県)
  • 林絵美、飯田秀博、後藤啓介、布谷隆史、百石悟、満島岳珠、間瀬光人、飯田昭彦
    15Oガス迅速脳循環代謝PET定量検査における無採血法を用いた推定入力関数の妥当性の検討
    第60回日本核医学会学術総会
    2020年11月13日
    神戸国際会議場(兵庫県)
  • 岡元信弥、佐藤晃、早野充浩、長野友里、西出有輝子
    当院における脳血管障害患者の歩行自立度と神経心理学的検査との関係
    第44回日本高次脳機能障害学会学術総会
    2020年11月20日~12月7日
    オンライン開催
    本研究は、高次脳機能障害者の歩行自立度評価指針の一助とするため、歩行自立度と神経心理学的検査の関係を調べることを目的とした。
    下肢麻痺がほぼない脳血管障害入院患者 78 名を対象とし、入院 1 ヶ月後の歩行自立度により棟内・院内・屋外の 3 群に分け、評価項目は 6 分間歩行および神経心理学的評価とした。
    歩行自立度の判断は、神経心理学的評価と行動観察を組み合わせて総合的に判断することが重要であることが示唆された。
  • 生田旭洋、石黒正樹、田島 資子、岡元信弥、辻朋浩、稲垣亜紀、堀本佳彦、小川 鉄男
    下肢rTMS(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)とボツリヌス併用療法が脳卒中片麻痺患者の下肢・体幹機能と歩行能力に与える影響
    第50回日本臨床神経生理学会学術大会
    2020年11月26日~28日
    オンライン開催
    症例は右被殻出血を発症後、13カ月経過した左片麻痺の50代男性。rTMS直後に理学療法を併用した。rTMSは頭頂正中部に照射し、ボツリヌス治療は大腿二頭筋、後脛骨筋と腓腹筋内側頭に施注した。理学療法は下肢に対する課題指向型プログラムと、体幹に対するアプローチを実施した。治療後は、体幹機能の向上に伴い、歩行能力が向上した。歩行再建に向けたrTMSとボツリヌス併用治療後の理学療法は、下肢だけではなく体幹に対するアプローチを併用することが重要であると考えた。
  • 伊藤寛之、江西一成
    高次脳機能障害者の身体活動量に関する研究~身体活動量と神経心理学検査成績との関係~
    第18回日本神経理学療法学会学術大会
    2020年11月28日~29日
    オンライン開催
    近年、健常高齢者を対象とした認知機能と身体活動量との関係に関する研究が散見される。しかし、これらは脳の器質的損傷に伴う高次脳機能障害者を対象としておらず、高次脳機能障害者の身体活動量を増加させることによる効果は不明である。
    そこで身体機能障害を伴わない高次脳機能障害者の身体活動量と神経心理学検査成績との関係を調査することを目的とする。
  • 佐藤晃、岡元信弥、早野充浩、長野友里、西出有輝子
    当院における脳血管障害患者の屋外歩行自立時期と神経心理学的検査との関係
    第18回日本神経理学療法学会学術大会
    2020年11月28日~29日
    オンライン開催
    身体機能障害を伴わない高次脳機能障害者を対象に、入院早期に屋外歩行が自立となった者と自立が遅くなった者の2群に分けて、神経心理学的検査との関係を調べた。その結果、リバーミード行動記憶検査(以下RBMT)とRey複雑図形検査において有意差を認め、特にRBNMTは机上ではなく行動を伴う検査であることから、病棟内、院内、屋外の自立時期の判断に有益だと考えられると報告した。
  • 辻朋浩、 田島資子、伊藤寛之、宇井瑞希、佐藤晃、鈴木美沙、小川鉄男
    球脊髄性筋萎縮症に対してHAL®を用い、歩行運動処置と理学療法併用により複数回入院にて歩行機能向上した1症例
    第18回日本神経理学療法学会学術大会
    2020年11月28日~29日
    オンライン開催
    球脊髄性筋萎縮症(以下、SBMA)は緩徐進行性の神経変性疾患である。神経変性疾患においてはいくつかの疾患において運動療法の効果について報告はあるがSBMAにおいては運動療法の効果について報告は少ない。今回、SBMA患者に対してHAL®を用いて歩行運動処置と理学療法(以下、PT)を5週間入院にて行い、その後、再び歩行運動処置とPTを短期間入院にて実施し歩行機能の向上が認められた症例を経験したので報告した。
  • 田島資子、辻朋浩、伊藤寛之、宇井瑞希、佐藤晃、小川鉄男
    HAL®医療用下肢タイプによる治療を短時間しか行えなかったが効果がみられたSBMAの一症例
    第18回日本神経理学療法学会学術大会
    2020年11月28日~29日
    オンライン開催
    球脊髄性筋萎縮症(以下、SBMA)は、緩徐進行性の四肢筋力低下および筋萎縮を主症状とする神経変性疾患である。SBMAなどの神経・筋疾患患者において、ロボットスーツHAL®医療用下肢タイプ(以下、下肢HAL®)を使用した歩行運動療法は、週2回以上、1回あたり20~30分が歩行実時間として推奨されている。今回、歩行能力低下により、推奨された歩行時間が行えなかったが、効果が見られた症例を経験したので報告した。
  • 田中芳則
    頸髄損傷者へのスマートスピーカー導入支援
    第68回日本職業・災害医学会学術大会
    2020年12月5日
    誌上開催
    頸髄損傷者が自立生活を営むためには、できることを増やすことが大切であり、過去、家電製品や電話の操作に環境制御装置を使用してそれを実現していた。現在、環境制御装置はメーカーの廃業や機種の廃番で入手が難しくなり、数種類が残るのみである。近年、声で家電製品を操作でき、環境制御機能を有するスマートスピーカー(一般商品)が市場投入されている。そこでこのスマートスピーカーの導入によって、声で各種家電製品等の操作が可能となり、生活が豊かになったC3頸髄損傷者(70代男性)とC5頸髄損傷者(60代男性)の支援事例を報告した。
  • 田中芳則、濱中広江
    アウトリーチ事業における難病患者への支援と連携について
    全国難病センター研究会第34回研究大会
    2020年12月19日
    オンライン開催
    なごや福祉用具プラザ(以下、プラザ)ではこれまで主たる事業のうち、高齢者の住宅改修事業と障害者IT(情報技術)バリアフリー事業において訪問相談を行ってきた。しかしプラザへ来所できない利用者や家族、重度障害者への福祉用具全般の相談に対応するため、令和元年10月より「福祉用具に関する訪問相談(アウトリーチ事業)」を開始した。令和2年9月末までの1年間の実績や支援状況について示し、コロナ禍で軟骨無形成症の難病患者(10代女性)へ移乗台を製作して対応した事例を報告した。
  • 間瀬光人、長野有里、佐野恭子、白井宏明、稲垣亜紀、飯田昭彦、山田和雄
    脳外傷後高次脳機能障害の現状と課題
    第44回 日本脳神経外傷学会
    2021年2月26日
    サンポートホール高松(香川県)
  • 堀本佳彦、佐藤千香子、稲垣亜紀、田島稔久、日比野敬明、蒲澤秀洋、稲垣宏
    パーキンソン病および関連疾患の診断精度 ― 日本病理剖検輯報に基づく検討
    第14回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス
    2021年2月22日~24日
    ホテル日航福岡(福岡県)
    【目的】パーキンソン病(PD)と関連疾患の診断について、わが国の現状を明らかにする。
    【方法】日本剖検病理輯報収載の2007年から2016年までの130,105剖検例中、臨床または病理診断にPDもしくは多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)を含む症例を解析、有病率と人口動態統計の死亡者数12,238,675人から患者死亡数を推定し、剖検率を算出した。
    【結果】臨床診断PDは761例中670例が病理確定し臨床診断特異度88.0%、推定死亡数20,414.1例で剖検率3.73%、MSAは314例中300例確定し特異度95.5%で臨床診断感度86.0%、死亡数1,591.0例で剖検率19.7%、PSPは202例中167例確定し特異度82.7%で感度73.6%、死亡数2,112.4例で剖検率 9.6%、CBDは74例中41例確定し特異度55.4%で感度57.7%、死亡数236.2例で剖検率31.3%であった。
    【考察】診断精度の低いCBD以外も、特異度に比べ感度が低く、剖検率も低かった。有病率が高く剖検率の低いPDは表に出ない誤診も多く、関連疾患の有病率算出への影響が考えられた。
  • 堀本佳彦、佐藤豊大、植木 美乃、片田栄一、佐藤千香子、山田剛平、豊田剛成、稲垣亜紀、田島稔久、日比野敬明、松川則之、蒲澤秀洋
    パーキンソン病治療におけるプレガバリンの影響
    第14回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス
    2021年2月22日~24日
    ホテル日航福岡(福岡県)
    パーキンソン病に対するレボドパ治療の状態が、プレガバリンにより悪化したと疑われる症例を経験したので、注意喚起のため報告し、原因機序を考察する。症例は59歳女性、49歳時に右上肢固縮と寡動で発症し、1年後からレボドパ治療を開始された。進行して運動合併症を伴いながらも、症状は安定していた57歳時、股関節痛に対しプレガバリンが追加され、運動症状は増悪した。疼痛治療の方針変更で、プレガバリンは中止となった。その後59歳時に、運動合併症管理のためレボドパ持続経腸療法を導入、症状は安定した。上腕の疼痛に対し再度プレガバリンが投与されたところ、レボドパ持続投与中断からの再開時に運動症状の回復不良を生じるようになり、プレガバリンは短期で中止された。プレガバリンによる薬剤性パーキンソニズムの報告はみられるが、パーキンソン病悪化の報告は検索した限りではみられなかった。サブスタンスP放出抑制などを介した、ドパミン系への悪影響が推定された。