高次脳機能障害のある児童への支援

ページ番号1002064  更新日 令和5年11月30日 印刷 

高次脳機能障害のある児童への支援についてご説明します。

高次脳機能障害児の就学支援ガイドブック

高次脳機能障害児の就学支援ガイドブック表紙

高次脳機能障害のあるお子さんに関する「高次脳機能障害児の就学支援ガイドブック」を掲載しました。
ダウンロードしてご活用ください。

就学支援について

児童の「社会」は学校

大人が仕事や生活に復帰する時と同じように、児童も学校に復帰するための準備や、復帰先の配慮、その後のフォローが必要となることがあります。大人の社会復帰と異なり児童の場合は、

  • 進級や進学、卒業といった、年度で決まっているイベントごとに、必要な情報や配慮が変化していく
  • 「回復」だけでなく、児童→青年→成人という「発達」の観点が加わる
  • 学校を卒業することが目標ではなく、その後の就職や社会生活へのスムーズな移行が必要

などを考えて支援が必要です。

なごや高次脳機能障害支援センターでの就学支援

18歳になると児童の扱いではなくなり支援が途切れてしまう場合があります。そして、その後の成人としての支援につながりにくい現状もあります。当センターでは、そのような支援の流れの中断を防ぎ、子どもたちがスムーズに学校という社会に復帰し、大人になっていく過程を、シームレスに支援していきます。

支援の流れ

まず、なごや高次脳機能障害支援センターの窓口にご相談ください。受診や検査、カウンセリングなどを行い、必要に応じて復帰先の学校などとの相談を行います。

・相談窓口

なごや高次脳機能障害支援センター(名古屋市総合リハビリテーションセンター 1階総合相談部内)

電話 052-835-3814(直通)  住所 〒467-8622 名古屋市瑞穂区弥富町字密柑山1番地の2

よくある質問(Q&A)

事故で頭を打ち、高次脳機能障害が残るかもしれないと言われました。どんなことが考えられますか。

脳のどの部分にどの程度の損傷が残ったかにもよりますが、疲れやすくなったり注意が散漫になったり、記憶力が低下するなどの症状が出ることもあります。 また、怒りっぽくなったり、年齢より子どもっぽくなるなどの、性格の変化があることもあります。高次脳機能障害が生じると、前と同じような学校生活ができないことで学校に通いづらい思いをしてしまうこともあります。高次脳機能障害は、人それぞれですので、専門の病院で検査を受け、今の状況を明らかにした上で、何に気をつけたらよいか専門的なアドバイスを受けると良いでしょ う。

学校の成績が下がりました。どうしたらよいですか。

記憶力が低下すると暗記が苦手になったり、注意が散漫になるとボーっとしているうちに話が先に進んでしまったり、ケアレスミスで減点されたりして成績が下がることもあります。また手に麻痺がなくても、情報処理速度が低下しているとノートをとる速度が遅くなり、授業についていけなくなるようなこともあるようです。 勉強のやり方の工夫などで改善される部分もありますので、ご相談ください。

ちゃんと睡眠をとらせても、授業中に寝てしまうことが多くなったと言われました。なぜですか。

脳の一部が損傷すると、考えたり話したりする脳の活動で、前よりも疲れやすくなることがあります。これを脳疲労と言い、体の疲れとは異なるものです。 回復によって疲れにくくなってくることもありますが、復学したばかりなどの疲れやすい時期に無理に起こして活動させることは、学校生活で支障を生じることもありますので、適宜休憩を取らせるなどして回復を待つのも一つの手です。

記憶障害などの高次脳機能障害がありますが、療育手帳には該当しないと診断されました。どのような福祉の支援が受けられますか。

療育手帳や愛護手帳に非該当の場合は、高次脳機能障害として精神障害者保健福祉手帳を取得することができます。精神障害者保健福祉手帳を取得するメリットとしては、進学先の選択肢の拡大や将来的な就職方法の選択肢の拡大、周囲への理解促進などが挙げられます。詳しくはお問い合わせください。

あまり周囲に高次脳機能障害のある児童がいないのですが、悩みを話せる場はありますか

各都道府県の支援拠点機関にご相談いただくと、当事者やご家族のための家族会や、児童や保護者のための相談会、交流会なども開催されていますので、紹介してもらうと悩みの相談ができます。愛知県では、脳外傷友の会「みずほ」の「キッズプラス」という分科会でご相談いただくこともできます。

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