概要

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高次脳機能障害についてご案内します。

事故や病気などで脳に損傷を受けた後、記憶力や注意力の低下などの症状が現れ、日常生活や社会生活に支障が出てきてしまう障害を「高次脳機能障害」といいます。

高次脳機能障害の主な症状

高次脳機能障害の症状は損傷を受けた脳の部分や範囲によって異なります。主な症状として次のようなものがみられます。なお、症状の重症度には個人差があります。特に社会的行動障害は、強く出る人、全く出ない人などさまざまです。

記憶障害

  • すぐに忘れるようになった。
  • 昔のことは覚えていても、新しいことを覚えるのが苦手になった。

注意障害

  • 同時に複数のことに注意をはらえなくなった。
  • うっかりミスが多くなった。
  • 集中力が続かなくなった。

遂行機能障害

  • 物事を関連付けて考えることが苦手になった。 
  • 段取りが悪くなった。
  • 効率的に計画を立てることが苦手になった。 
  • 要領が悪くなった。
  • 融通が利かなくなった。

社会的行動障害

固執性

  • 自己主張が強くなった。
  • 些細なことにこだわるようになった。

感情コントロールの低下

  • 些細なことでイライラしたり、突然興奮するようになった。

欲求コントロールの低下

  • 欲しいと思うと我慢ができなくなった。
  • 先のことを考えずにお金を使うようになった。

対人機能の拙劣

  • 相手の気持ちになって考えることができなくなった。
  • 人間関係をうまく築くことができなくなった。

意欲・発動性の低下

  • 指示がないと動けなくなった。
  • 人や趣味に無関心になった。
  • やる気がでなくなった。

依存性・対抗

  • すぐに親に頼るようになった。
  • 子どもっぽくなった。

高次脳機能障害の原因となる主な疾患

  • 脳外傷  
  • 脳血管障害(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)
  • 低酸素脳症  
  • 脳炎  
  • 脳腫瘍など

よくある質問(Q&A)

高次脳機能障害があると、どんな問題が出やすいですか。

高次脳機能障害のある方は、身体に障害が残らないことが多く、外見では高次脳機能障害があることが分かりにくいことに加え、本人も自覚することが難しいため、「見えない障害」と言われることがあります。

生活上はそれほど問題がなくても、仕事では判断や人間関係の部分で能力が必要となるため、仕事に就いた時ミスやトラブルを生じ、仕事が続かないなど、社会生活に支障が出ることもあります。

高次脳機能障害と言われたら、どうしたらよいのですか。

適切な時期に専門的な訓練を受け、高次脳機能障害による問題点に気づくこと、それに対する効果的な対応方法を具体的に身につけることが大切です。

「見えない障害」と言われるだけに、訓練は医学的な訓練だけでなく、社会生活や職業生活などを試せるような訓練で自分の状態を知り、さらに社会で支障なくやっていくための支援を受けることが大切です。

また、家族や支援者は、接し方や対応方法のポイントを知ることが大切です。不適切な対応は本人を混乱させる恐れがあります。

どこに相談したらよいのですか。

高次脳機能障害については、各都道府県に設置されている「高次脳機能障害支援拠点機関」に相談することができます。当事者の方やご家族の方が参加する家族会が全国にあり、ご家族が抱える悩みなどの相談ができます。

各都道府県の高次脳機能障害支援拠点機関は国立障害者リハビリテーションセンターのウェブサイトに掲載されています。家族会については、それぞれの支援拠点機関にお問い合わせください。

愛知県の支援拠点機関は名古屋市総合リハビリテーションセンターと高次脳機能障害愛知県東部支援センター笑い太鼓が委託されています。詳細は「高次脳機能障害のある方へ」ページをご覧ください。

利用できる制度

障害者手帳

高次脳機能障害と診断され、生活に支障をきたしていれば、器質性精神障害として精神障害者保健福祉手帳の申請ができます。

身体、精神、知的のいずれかの障害者手帳を持っていれば、福祉サービスを受けることができます。なお、精神障害については診断書のみでも多くのサービスを受けることが可能です。

就労する時、いずれかの障害者手帳を持っていれば、障害者雇用率制度(事業所は一定割合の障害者を雇用しなければならないという制度)の対象となります。

詳細は、お住まいの市町村の担当窓口でお問い合わせください。

障害年金

要件を満たしていれば、高次脳機能障害は「精神の障害用」の診断書によって障害年金の申請対象となります。

詳細は、お近くの年金事務所(障害基礎年金対象の方はお住まいの市町村の窓口でも可能)にお問い合わせください。

介護保険

脳血管疾患が原因の40歳以上の高次脳機能障害の方は、特定疾病として介護保険の申請ができます。

詳細は、お住まいの市町村の担当窓口にお問い合わせください。

その他

自立支援医療、障害者医療費助成などの制度があります。

詳細は、お住まいの市町村の担当窓口でお問い合わせください。

高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業

高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業は、平成18年から開始された都道府県が行う事業で、都道府県は高次脳機能障害の支援拠点機関を設置し、専門的な相談支援、ネットワークの充実、啓発事業、研修などを行い、支援体制の確立を図ることを目的としています。