働く失語症のある人 ご紹介

ページ番号1002454  更新日 令和5年7月28日 印刷 

名古屋市総合リハビリテーションセンターを利用し、様々な働き方に至った失語症のある人をご紹介します。

復職されたAさん

急性期と回復期の病院を退院後、通院によるリハビリを継続しながら、当センター就労移行支援を利用し、発症から2年3カ月後に復職。「リハビリのつもりで」と会社から提示された会議に参加するも、内容についていくことができず苦しむ。病院スタッフ向けに、病気になってからの思いや経験を話す機会があり、それがきっかけとなって、講演活動を業務として会社が支援するようになった。社内の研修のみならず、失語症の理解を広めたいと、病院や学校、介護者向け講座などで講演を行っている。

配置転換後に復職されたBさん

急性期と回復期の病院を退院し、当センター生活支援部門の施設に入所し、生活訓練を行う。在宅復帰後、当センター就労移行支援を利用し、重度の失語がありながらも発症から9カ月後に復職。病前の肩書きではなく、平社員として勤務するため、一度退職してから再雇用。営業職から、データ入力を行う事務仕事へと業務内容を変更。これでよかったのか、と悩まれながらも家族や、職場の仲間、働く失語症者の仲間に励まされ、現在も就労継続中。

新規就労されたCさん

急性期と回復期の病院を経て、当センター附属病院へ入院。当センター生活支援部門の施設に入所し、生活訓練を行った後、当センターの就労移行支援を利用。病前はドライバーをしていたが、復職をあきらめ、発症から1年8カ月後に障害者雇用の求人で一般就労。業務はビル内のゴミ回収業務。手取りは減ってしまったが、障害年金を受給することで収入も安定。「ずっと座っている仕事を続けているとまた病気になるかもしれないから、体を動かす仕事に就けたのは良かったと思う」と前向きに働いている。

福祉的就労を選んだDさん

退職後に発症。急性期病院退院後、当センター附属病院へ入院。当センター生活支援部門の施設に入所し、生活訓練を行った。施設を退所後は、言語リハビリと親の介護を優先したいとの希望から、時間的制約の少ない自宅近くの就労継続支援B型に通所開始(発症から1年3カ月後)。その約1年後、別の就労継続支援B型を利用し始め、単純作業以外の業務にも挑戦中。いずれは一般就労をめざしている。

当事者NPOの理事長を務めているEさん

海外赴任中に発症。帰国後入院リハビリにより杖をついて歩けるようになる。その後、当センター生活支援部門の施設に入所し、生活訓練を行った。その後、当センター就労移行支援を利用し、復職に挑戦したが、発症1年7カ月で会社をやむなく辞めることになった。新たな活動の場として当事者NPOに参加を始め、発症4年あまり後に同NPOの職員として働きはじめた。NPO活動の他、趣味活動や失語症のある人達の集いにも積極的に参加し、発症16年後の現在は参加している当事者NPOの理事となって活躍中。