よくある質問(Q&A)

ページ番号1002066  更新日 令和5年7月28日 印刷 

失語症について、よくある質問とその答えを掲載します。

失語症になるって、どんな状態なのでしょうか?

失語症というと、話せなくなるだけと思う人がいらっしゃるようですが、違います。
話すこと、聞くこと、読むこと、書くことが、程度の差はあれ、難しくなります。
例えて言うなら、言葉の分からない外国で一人生活するような感じです。

失語症になると、声がでなくなるのですか?

精神的なストレスやショックで声が出なくなる状態について「失語症になった」と言われることがありますが、これは良くある誤解です。
声が出なくなる原因は2つ考えられ、1つには、声を出す器官である声帯の筋肉が動かしにくくなったり、ポリープや腫瘍が出来て声を出す妨げとなる「音声障害」があります。声帯の筋肉に異常がないのに声が出ない場合は「心因性失声症」と言われ、精神的なことが原因と考えられています。音声障害や心因性失声症では、声を出すこと以外の「聞く、読む、書く」は可能ですが、失語症のある方は「聞く、読む、書く」についても程度の差はあれ困難があることが多いです。

失語症になった人は、言葉を忘れてしまったのでしょうか?

初めて失語症のある方と接すると「言葉を忘れてしまったの?」と感じる方もいらっしゃるようですが、違います。頭の中には言葉も意味も残っているのですが、頭の中の言葉の貯蔵庫から、正しい言葉を素早く、正しく探すことが難しくなっているのです。失語症では、言葉を新たに覚え直す必要はありません。無理に言葉を覚えさせようとすると、かえってストレスになってしまうこともあります。

失語症の人は、耳が聞こえにくいのですか?

失語症になると、話しかけられてもきょとんとしていたり、返事をしないことがあるので、耳が遠くなったと誤解されることがあります。しかし、言葉を聞いて理解する力が低下しているのであり、聴力が全くなくなるようなことはありません。話しかけてもご本人が反応しないと、つい大声で話しかけてしまうかもしれませんが、大きな声は騒音と同じで、ご本人の理解の助けにはならないことがあります。

失語症の人と話すとき、どんなことを工夫・配慮したらよいでしょうか?

失語症のある方は、「私が話し始めるまで、話し終えるまで待ってほしい」、「私の話を聞いてほしい」、
「ゆっくり話してほしい」、「話すだけでなく、文字や絵をかいて伝えてほしい」、「十分理解できず、話せないこともあるが、対等に扱ってほしい」と望んでいます。
失語症のある方と話すときは、出来るだけ会話に集中できる落ち着いた環境で、ご本人が理解しやすいように、ゆったり、短い文で話しかけましょう。言葉が出にくいような時は、「はい」、「いいえ」で答えられるような質問をしてみましょう。
ご本人の理解を助けるために、身近な文字単語や、絵や写真、身振りなどの、言葉以外の手段も併せて話しかけましょう。ご本人を尊重し、先回りしたり、遮ったりせず、ご本人が話すことをゆったり待っていただけると良いでしょう。

失語症になってうまく話せないのですが、仕事はできるでしょうか?

失語症のある人の中には「前のように話せないから、仕事は無理」と働くことをあきらめてしまう人がいます。しかし実際は失語症になっても復職したり、新たな仕事についたりする人もいます。中には数年かけて少しずつステップアップしていく人もいます。
言語聴覚士や就労支援の専門職にサポートしてもらいながら、自分の失語症の症状にはどんな特徴があるか、失語症の他に何か症状はあるか、自分の得意なことはどんなことかなどを確認していくことで、自分の能力にあった作業や職業を見つけられることがあります。また、職場の理解を得て、業務から苦手なものを外してもらったり、社内の業務からできる業務を集めたりすることで、今の自分に合った働き方を見つけていく人もいます。

以下のリンク先で、名古屋市総合リハビリテーションセンターを利用し、様々な働き方に至った失語症のある人をご紹介しています。