リハビリセンターとは…?
「リハビリセンターって、どんなところ…?」をお伝えします。
1 「リハビリテーション」とは?
リハビリテーションという言葉は、
「リ」(再び、戻す)と「ハビリス」(適した、ふさわしい)から成り立っています。
からだの回復だけでなく、残された能力を十分に発揮して、
「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が大切であり、
そのために行われる全ての活動がリハビリテーションです。
2 リハビリテーションの内容
ところで、リハビリテーションには段階があります((1)→(2)→(3))
(1) 医学的リハビリテーション
身体の機能回復や自立度向上のためのリハビリです。主に、病院で行われます。
(2) 社会的リハビリテーション
自分の障害や制度を知り、苦手なこと・できないことを補う他の手段を獲得し、
元の生活に戻る準備をします。主に福祉施設で行われます。
(3) 職業的リハビリテーション
仕事に戻る・就くための準備をします。主に就労支援施設で行われます。
リハビリセンターでは、この(1)から(3)のすべてに該当するリハビリテーションサービスを提供しています。
例えば、人生の途中で病気や事故など何らかの原因で障害のある方からリハビリセンターに
利用の相談があると、まずは病院にかかっていただきます。
そこで、医師の診察を受け、理学療法や作業療法、言語聴覚療法などのリハビリを受けた後、
病気やけがの症状が安定したら、障害者支援施設(福祉施設)に移ります。
障害者支援施設では移動や入浴、着替え、外出や買い物の訓練をしたり、
スポーツ活動や絵手紙などの創作活動を通して、生活リズムを獲得したり体力の向上、
手指の作業の能力向上を図ります。
また、障害当事者との交流などを通して、退所後、地域生活に戻った後の生活の
イメージづくりや心づもりをします。
また、ご家族もその不安を軽減するため、相談をすることができます。
その後、仕事に復職することや新たに就労することを希望される方は、
実際の仕事を想定したデータ入力などのパソコン訓練や仕分け作業などを行った後、
復職したり、ハローワークなどを使って就職活動をします。
就職が決まって採用された後も、リハビリセンターの職員が
仕事上の悩みの相談に応じたり、場合によっては就職先の会社との調整もします。
また、地域生活全般の中で困ったことが起きた場合は「基幹相談支援センター」などに
相談をしたり、福祉用具や住宅改修に関する相談は「なごや福祉用具プラザ」が対応します。
また、スポーツ活動を楽しみたい方は、障害者スポーツセンター・福祉スポーツセンターを
利用される方もいます。
このように、病院と障害者支援施設(就労支援も行っています。)などが一体となって、
総合的で一貫性のあるリハビリテーションサービスを行っているのです。
3 総合リハビリテーションセンター
このように、医療と福祉を総合的に提供しているところは、
「総合リハビリテーションセンター」と呼ばれ、全国でもあまり数がありません。
この名古屋にあるリハビリセンターは、
東海地方にある障害者支援を行っている事業所の中では、
施設規模や支援の質、実績などでトップクラスの施設になります。
特に「高次脳機能障害」に対する支援ついては、全国的に高い評価をいただいています。
また、就労に関する支援についても、毎年高い実績を上げています。
(参考)名古屋市総合リハビリテーション事業団が展開している事業です。
どの事業も障害のある方の社会復帰や地域生活を支えています。
4 中核施設として
ご存知のとおり、福祉や医療には多くの税金や保険料がかかることから、
その展開には行政(国、都道府県、市町村)が定める方針や政策が大きく影響しますが、
その方針や政策は、必ずしも行政だけで決められるわけではありません。
リハビリセンターは、日々の利用者さんへの支援などを通して、
障害のある方の情報をたくさん持っていますし、地域の障害者支援事業所や病院などと
連携・協力する中で、情報が集まってきます。
その情報を整理・分析し名古屋市や愛知県(時には国にも)に提供したり、
政策策定の協力をします。
また、新制度や新事業の提案をし、試行的な事業実施をすることもあります。
一方、地域の障害者支援事業所に対して、リハビリセンターが培ってきた支援技術を伝え、
地域の事業所の支援の質の向上や人材の育成も行っています。
リハビリセンターが「名古屋圏域、愛知圏域のリハビリテーションや障害者福祉の中核施設」
と位置付けられている意味は、こういうことなのです。
5 リハビリセンターで働く魅力
ここまでの話をまとめると、リハビリセンターの特徴が2つありました。
1 総合的で一貫性のあるリハビリテーションサービスを提供していること
2 名古屋圏域・愛知圏域の中核施設であること
2つの特徴から、リハビリセンターで働くことの魅力をお伝えします。
1 「総合リハビリテーション」から考えられる魅力
医療と福祉が一体となって、総合的で一貫性のあるサービスを提供するために、
リハビリセンターでは障害のある方に対し、社会に復帰するために必要な支援を、
必要な各段階において、それぞれの専門職が提供しています。
そしてその支援は、利用者さんの意向に基づいて、各専門職が事業団内の
他部署と連携・協力し、また関係機関やご家族などとの連絡・調整を重ねながら、
一貫して行われています。
つまり、リハビリセンターには様々な部門があり、また様々な職種の職員が働いています。
そこでは多様な職種の職員とチームで支援を行うことで、
多面的な考え方を獲得し、支援の質を高めていくことができること、
そして利用者さんの社会復帰やその後まで見届けられること、
それがリハビリセンターで働くことの1つの魅力かと思います。
2 「中核施設」から考えられる魅力
リハビリセンターにおいては、中核施設を担っていく職員の育成に力を入れ、
支援に関する研究や研修を奨励しています。
高齢社会の日本において、福祉や医療は今後ますます厳しい状況に置かれていきます。
それでも、誰もが自分らしく地域の中で暮らすことのできる社会にしていくために、
少しずつでも前進していくことが求められています。
医療や福祉という分野を通して社会に貢献し、社会を造っていく、
その一端に加わることができることがリハビリセンターで働くもう1つの魅力かと思います。
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