PET-CT検査とは
PET-CT検査の概要と当院のPET-CT検査でわかることや薬剤に関する情報を説明します。
PET-CT検査とは
PET-CT検査とは、PET(Positron Emission Tomography)とCT(Computed Tomography)を融合させた検査です。PETは、体内の生理学的な情報を画像化し、生体の機能を観察することができる検査(機能画像)で、CTは体内組織の姿・形を観察するための検査(形態画像)であり、PET-CTはこの2つの検査を一連の流れで同時に行うことができる検査法です。
PETとは「陽電子断層撮影法」という意味で、「ペット」と呼ばれています。この検査では、陽電子(ポジトロン)を放出する薬を静脈から注射したり、呼吸させたりして体内に吸収させることで、薬が心臓や脳など体のいろいろなところに集まる様子を撮影することができます。目的に合わせたPET薬剤を選ぶことにより、脳や心臓、がんの診断などを行います。
PET-CT検査でわかること
がんの発見と広がりの診断
がん細胞は正常の細胞より分裂が盛んに行われるため、エネルギー源となるブドウ糖を大量に取り込みます。ブドウ糖に似た[18F]FDG薬剤を投与すると、がんの病巣にたくさん集まるため、この検査ではがんの場所、大きさがわかります。その上、全身を一度に検査できますから、予期せぬ部分に発生したがんや、転移の発見にも大変役立ちます。
アルツハイマー病の軽度認知障害や認知症の診断
アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の患者さんの脳内にはアミロイドベータプラークという物質が蓄積しています。このPET検査では、アミロイドベータプラークを可視化して脳内に溜まっている場所や量から、陰性・陽性を診断することができます。アルツハイマー病の治療薬である「レカネマブ(製品名:レケンビ)」の要否を判断する目的でこのアミロイドPET検査を行うことができます(自費検査、検診コースはございません)。
なお当院は日本核医学会の「アミロイドイメージング剤を用いた脳PET撮像施設認証(1)」を取得したPET施設であり、常勤の放射線画像診断医師は、アミロイドPET読影講習を修了しています。