心臓リハビリテーション

ページ番号1002045  更新日 令和6年4月17日 印刷 

心臓リハビリテーションとは

心臓リハビリテーション (心大血管リハビリテーション) とは、心臓病の患者様が、体力を回復し、自信を取り 戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することを目指して行う総合的活動プログラムのことです。運動療法と学習活動、生活指導、相談 (カウンセリング) などを含みます。

日本心臓リハビリテーション学会ホームページより抜粋

心臓リハビリテーションの効果

心筋梗塞や狭心症の患者様が心臓リハビリテーションに参加することにより、心血管病による死亡率が 26%低下し、入院のリスクが 18%低下したというデータがあります。また、心臓リハビリテーションに参加した心不全 患者様では、心不全による入院が 36%低下することが明らかになっています。さらに、心臓リハビリテーションに参加することにより、生活の質 (QOL) が改善し、毎日をより快適に過ごすことができるようになります。

日本心臓リハビリテーション学会ホームページより抜粋

心臓リハビリテーションの対象となる疾患について

(1)急性発症した以下のもの

・心筋梗塞 ・狭心症 ・開心術後 ・経カテーテル大動脈弁置換術後

・大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管術後)

(2)その他慢性の心大血管疾患により、一定程度以上の呼吸循環機能の低下及び、日常生活能力の低下を来している方(家事や仕事、身の回りの動作が大変、介助を必要としているなど)

・慢性心不全の方で最高酸素摂取量が基準値80%以下、EF40%以下、BNP80pg/ml以上の状態、        またはNTproBNP400pg/ml以上の状態の方

・末梢動脈閉塞性疾患で、動脈硬化により足の血管が狭くなって歩行時に痛みが出現する状態の方

・肺高血圧症のうち肺動脈性肺高血圧症又は慢性血栓塞栓性肺高血圧症であって、WHO肺高血圧症機能分類    1~3度の状態の方

*上記の条件に当てはまらない場合は、心臓リハビリテーションの提供ができませんのでご注意ください。

(3)当院における実施実績

当院において、2022年度・2023年度に入院・外来それぞれにおいてリハビリテーションを受けていただいた方の主な病名としては以下の通りです。

下記以外の病名であっても、(1)(2)に定める疾患の診断がついた方に関しては対象になる場合があります。

【入院】心大血管リハビリテーション対象者病名

【外来】心大血管リハビリテーション対象者病名

当院の心臓リハビリテーションの内容

当院の心臓リハビリテーションでは、入院の方には家庭復帰・社会復帰のための機能訓練を行っています。

また、家庭復帰、社会復帰後の心臓リハビリテーションを外来(通院)で行うことが可能です。

外来の方には心臓病の再発・再入院を予防し、快適な生活を送っていただくための運動療法や生活指導を行っています。

(1)入院心臓リハビリテーション(個別訓練)

入院


在宅復帰、社会復帰を目標に、医師の処方のもと患者様それぞれの状態に合わせて療法士がマンツーマンで  訓練を行います。立ち座りや歩行の練習、有酸素運動、ウェイトトレーニングなどを行い、心身機能の向上を 図ります。病院敷地内には500mのウォーキングコースがあり、屋外歩行練習を行うこともできます。      また、必要に応じて家屋状況の確認や住宅改修・環境設定に関する助言を行っています。

(2)外来心臓リハビリテーション(集団訓練)

受付を済ませ、循環器医師・看護師による体調確認を実施します。

その後、理学療法室にてトレーニングを開始します。

外来

・有酸素運動

血圧や脈拍、心電図を確認し、リスク管理のもとエアロバイクを使用し有酸素運動を  行います。                                                                       体力向上による、息切れや疲れやすさの改善を図ります。

 

 

レジスタンス

・レジスタンストレーニング

ダンベル、ウェイトトレーニングなどのエクササイズで筋力アップを目指します。筋肉量が増えることで少ないエネルギーで効率よく動けるように  なり、心臓への負担が減る効果があります。

 

 

 

ストレッチ

・ストレッチ

体のコンディションを整え、柔軟性向上を図ります。

 

 

 

 

吸気筋

・吸気筋トレーニング

医師からの指示があった方について、吸気筋力の評価及びトレーニング、  セルフトレーニングの設定・指導を行い、息切れの改善を図ります。

 

 

 

・セルフトレーニング指導

ご自宅で行える運動を指導します。通院のリハビリテーション以外でも定期的な運動習慣を身につけることに より、体の機能の維持を図ることができます。

・生活指導

再発、再入院の予防のため、ライフスタイルの改善についてアドバイスを行います。

(生活リズム、食事内容、再発予防のための生活指導など)

(3)カンファレンスの開催

カンファ

当院では、専門知識をもった医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、薬剤師など多くの医療専門職が患者様と関わり、それぞれの専門知識を生かした効果的なプログラムを実施しています。

入院・外来の方を対象に多職種の関連職員が情報交換を行い、一体となって患者様をサポートできるよう定期的にカンファレンスを開催しています。

 

内容:リハビリテーションの内容、進捗状況、最近の体調、今後の方向性、自宅での様子や生活指導の内容など

当院の外来心臓リハビリテーションを受けるためには

(1)外来心臓リハビリテーション

1.当院地域医療連携室へ連絡をする。 

2.かかりつけ医から紹介状をもらう。

3.外来看護師から問診を受け、循環器医師の診察を受ける。

4.CPX(運動負荷試験)を受ける。

cpx

 

患者様が効果的、かつ適切な運動を行えるよう運動負荷を数値化します。
エルゴメータという運動負荷装置を使って、医師が心電図や血圧・脈拍数の  モニタリングをしながら安全に運動を行える強度を決定します。

5.CPXの結果のもと、循環器医師より運動内容が処方される。

6.心臓リハビリテーション開始。

スケジュール

(1)外来心臓リハビリテーション

1日1回、1時間 / 最大週3回まで可能

スケジュール

(2)入院心臓リハビリテーション

発症日からの日数、身体の状態などの条件に応じて、1日最大180分

 (実施時間に関しては条件により異なります。)

 

*入院・外来ともに循環器医師が不在の場合は休止となります。