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リハビリテーションセンター

名古屋リハにおける高次脳機能障害への取り組みの経緯

名古屋リハにおける平成3年以降の高次脳機能障害リハビリテーションへの取り組みの経緯を6期に分けて紹介しています。この間に出版した報告書や本の概要を知ることもできます。


第1期 模索しながらの研究会活動

平成元年10月にオープンした名古屋リハでは、平成3年4月、頭部外傷(後に脳外傷と改名)リハビリテーション研究会を発足させ、以降、脳外傷(外傷性脳損傷)者のリハビリテーションに積極的に取り組んできました。研究会はリハビリテーション医、心理士、言語聴覚士、作業療法士、生活指導員、職能指導員というメンバーで構成されていました。

研究会のこの時期のキーワードは「ちょっと変」でした。どこがどうして変なのか、どのようにしたらうまくいくのかを脳外傷者の事例を検討する中で明らかにしていきました。従来の脳損傷(特に脳血管障害)者と異なる障害特性に振り回されながらも有効な支援方法を模索し、そのノウハウを蓄積してスタッフの間で共有していきました。
当時は国内に脳外傷者のリハビリテーションについて参考になるような文献はほとんどなく、アメリカで先進的な取り組みをしていたプリガターノの本が大変参考になりました。

  • 「脳損傷のリハビリテーション-神経心理学的療法-」Prigatano,G.ほか(八田武志ほか訳、医歯薬出版、1988)

第2期 整理と伝達

平成5年12月、東京で行われたプリガターノの講演を聴き、研究会が取り組んできた研究の方向性に間違いがないことを確信しました。そこで名古屋リハのリハ基金の助成を受けて平成6年度に1年間かけて研究を深め、ノウハウを整理しました。
その結果は2つの成果物としてまとめ、関係者に配布しました。家族向けの小冊子は隠れたベストセラーとなっています。
専門家向け報告書 「脳外傷者のマネージメント-社会復帰に向けて-」、1995.3

脳外傷者のマネージメント

第1章 脳外傷による障害の特徴とその対応
第2章 援助方法
第3章 マネジメントQ&A
第4章 社会的状況調査報告

平成元年10月から平成6年3月名古屋リハを利用して社会復帰した脳外傷者45名の社会生活状況を調査した。二次調査として23名に面接による聞き取りを行った。その結果、自分の能力低下を認識し補償行動をとり、良好な社会適応をしていた一群は、悩みが深く、内的適応は必ずしも良好ではなかった。また、良好な社会適応は環境との相互作用によることが明らかになった。


家族向け小冊子「いっしょにがんばろう!脳外傷とどうつきあうか家庭と職場のためのQ&A

いっしょにがんばろう!

I. 家庭での対応Q&A
・「忘れない」ための工夫      ・欲求コントロール
・「変な言動」に気づかせる     ・「爆発」したら、一呼吸おいて
・根気よく、「けじめ」意識を    ・みんなの仲間にカムバック
・「できること」と「できないこと」 ・工夫次第で見えてくる

II. 職場での対応Q&A
・「繰り返し」がキーワード   ・「できる仕事」のプロフェッショナルへ

入手方法:NPO法人脳外傷友の会みずほ(別ウィンドウで開きます)
書籍の販売とビデオの販売・貸し出しについてのページをごらんください。


第3期 当事者団体の育成と啓発活動

研究成果をまとめる中で、脳外傷者が適応的な社会生活を送るためには、専門家だけではなく、家族が支援者と一緒になって支援していくことが重要であると分かってきました。
そこで「家族を支援者に」をキーワードに家族のグループワークを行い、家族に心理教育的なアプローチを行いました。そのグループに参加したメンバーから同じような悩みを抱える家族の会を作りたいとの機運が高まり、平成8年11月23日、名古屋リハの患者とその家族(約80名)が集まって発足会を行い、その半年後の平成9年4月19日、日本で最初の脳外傷友の会「みずほ」の設立総会が開催されたのです。「みずほ」の活動は新聞やテレビなどのマスコミを通じて紹介され、埋もれていた脳外傷者や家族、関係者など全国各地からの問い合わせが殺到することになりました。

「みずほ」の事務局は平成12年3月までの3カ年間、名古屋リハの心理においていましたので、心理士は年間300件をこえる電話相談に応じることになりました。その相談を通して、全国各地に困っている多くの脳外傷者と家族がいるということが分かったのです。
平成11年2月、厚生科学研究として名古屋、神奈川、横浜、埼玉の4つのリハセンターおよび「みずほ」「ナナ」「コロポックル」「若者と家族の会」4つの当事者団体の協力により実態を明らかにするための調査を実施し、7月に報告書にまとめています。
「頭部外傷後の高次脳機能障害者の実態調査」報告書、1999.7

「頭部外傷後の高次脳機能障害者の実態調査」報告書

第1章 頭部外傷の背景
第2章 社会生活状況
第3章 高次脳機能障害の状況
第4章 悩みや要望
第5章 考察

結語として3つの課題を提示
1. 高次脳機能障害の認定
2. 高次脳機能障害者のための相談援助機関の養成
3. 地域生活を支援するシステム作り


第4期 全国に支援を拡大

実態調査で明らかになった課題の解決に向けて、「各地に支援の拠点を」をキーワードに、支援のノウハウをまとめた本の出版、アメリカ視察旅行の報告書の発行、社会福祉・医療事業団助成による「専門家養成研修会&脳外傷交流セミナー」の開催、高次脳機能障害に関する評価基準の研究などを行ってきました。
「脳外傷者の社会生活を支援するリハビリテーション」(中央法規出版)、1999.11

脳外傷者の社会生活を支援するリハビリテーション

第1章 脳外傷の医学的解説
第2章 社会適応に向けた援助の基本
第3章 認知障害とその対応
第4章 行動障害とその対応
第5章 生活支援の実際
第6章 就労支援の実際
第7章 当事者団体の活動支援


「家族と援助者が見た 脳外傷・アメリカのいま 米国脳外傷視察報告書(1999)」2000.2

家族と援助者が見た 脳外傷・アメリカのいま 米国脳外傷視察報告書(1999)

I  研修・見学スケジュール
II 見学先の概要
III アメリカの脳外傷者をとりまく状況
  1. 行政におけるサービス
  2. 脳損傷モデルシステム
  3. 職業リハビリと援助付き雇用
  4. 病院から地域へ-地域に根ざしたプログラム
  5. 脳損傷協会
IV 視察旅行に参加して-参加者の感想集


「脳外傷交流セミナー」報告書、2000.2

「脳外傷交流セミナー」報告書

・ 分科会報告
 分科会1 「就労支援について」
 分科会2 「生活支援について」
 分科会3 「高次脳機能障害の法的認定について」
 全体会  助言者からの発言

・ 4団体活動報告
・ 共同アピール
 全国組織を設立し、連帯と行動の輪を広げることを宣言しました。
 同年4月日本脳外傷友の会が設立されました。

・ 専門機関からの提言
・ 厚生省発言
 交流セミナーに参加した厚生省障害保健福祉部企画課の中村健二課長補佐は
 4つの行政 的課題を提示しました。これが高次脳機能障害支援モデル事業へ
 とつながっていったと 考えられます。
 (1) 高次脳機能障害の整理
 (2) 地域間格差、職種間格差の是正
 (3) 認定医の基準の緩和
 (4) 行政的支援の指標の開発


「高次脳機能障害の評価基準に関する研究」 平成12年度研究報告書、2001.3

「高次脳機能障害の評価基準に関する研究」 平成12年度研究報告書

1章 医学的評価
2章 神経心理学的評価
3章 社会生活困難度評価


第5期 モデル事業を地元(愛知県)志向

平成13年~17年度の5カ年間、厚生労働省の高次脳機能障害支援モデル事業の地方拠点機関としてさまざまな取り組みを展開しました。特に前半の3カ年はリハセン内のスタッフと地域の支援実施機関の「支援力向上」に力をそそぎました。その結果、以下のような成果があがりました。

  1. 名古屋リハを受診する患者数が増大した
  2. 早期にリハに導入し、タイムリーに訓練のステップを移行することにより一般就労につながるケースが増えた
  3. 包括的なアプローチによりドロップアウトしていたケースの建て直しができた
  4. 職種毎に評価や訓練の課題、方法を整理し、マニュアルを作成した
  5. 出前型の就労支援、就学支援、施設支援により地域に戻ったあとの定着支援ができた

平成17年度、18年度には日本損害保険協会からの助成を受けて、交通事故等による高次脳機能障害者の在宅ケアのあり方に関する調査研究に取り組んでいます。
「脳外傷者の社会生活を支援するリハビリテーション〈実践編〉」(中央法規出版)、2003.1

脳外傷者の社会生活を支援するリハビリテーション〈実践編〉事例で学ぶ支援のノウハウ

I章 診断・評価
II章 訓練
III章 支援


「名古屋市高次脳機能障害支援モデル事業実施報告書(平成13年度~15年度)」2004.4

名古屋市高次脳機能障害支援モデル事業実施報告書(平成13年度~15年度)

第1章 高次脳機能障害支援モデル事業報告
第2章 モデル事業登録者
第3章 調査結果
第4章 提言
第5章 高次脳機能障害訓練プログラム実施マニュアル
第6章 事例


「高次脳機能障害データベース報告書 平成15年度研究報告書」2004.7

高次脳機能障害データベース報告書 平成15年度研究報告書

序章
第1章 背景
第2章 医療
第3章 理学療法
第4章 作業療法
第5章 言語聴覚療法
第6章 心理療法
第7章 生活訓練
第8章 職能訓練


第6期 地域生活支援

モデル事業の後半は地域生活支援に力点をおき、「支援ネットワークの構築」をキーワードに取り組んできました。
モデル事業後半の活動と成果は以下のようでした。
1.愛知県内福祉・医療機関に向けた高次脳機能障害見学研修会
(平成17年度5回実施し、102施設165名参加)
2.地域に支援拠点を作り、草の根支援を拡充
脳外傷友の会「みずほ」の地区会活動の支援、当事者作業所支援「みかんやま作業所」「笑い太鼓」「サンライズ」「サークルフレンズ」
3.当事者団体をバックアップし、連携して啓発活動
脳外傷友の会「みずほ」、くも膜下出血友の会「くるみ」(平成14年設立)

モデル事業終了後の平成18年10月からは障害者自立支援法による高次脳機能障害支援普及事業が開始され、名古屋リハは愛知県より支援拠点機関の委託を受けて愛知県内全域をカバーする活動を展開しています。名古屋リハでは高次脳機能障害支援部を設置しており、高次脳機能障害の方への専門的な医療、訓練、支援を行っています。

平成17年度、18年度には日本損害保険協会からの助成を受けて、交通事故等による高次脳機能障害者の在宅ケアのあり方に関する調査研究に取り組んでいます。
「みんなでささえよう!-くも膜下出血とどうつきあうか-家庭と職場のためのQ&A」小冊子の発行、2005.9

みんなでささえよう!-くも膜下出血とどうつきあうか-家庭と職場のためのQ&A

I  くも膜下出血ってどんな病気?
II  家庭での対応Q&A
III 就労に関するQ&A


「高次脳機能障害者の在宅ケアニーズ調査報告書」2006.2

高次脳機能障害者の在宅ケアニーズ調査報告書

第1章 調査の概要
第2章 調査結果
第3章 考察とまとめ
資料


「名古屋市高次脳機能障害支援モデル事業実施報告書(平成16年度~17年度)」2006.4

名古屋市高次脳機能障害支援モデル事業実施報告書

第1章 国への高次脳機能障害支援モデル事業報告
第2章 名古屋リハにおける取り組みの成果と課題
第3章 調査報告
第4章 その他モデル事業に関わる報告


「脳外傷後高次脳機能障害患者に対するインタラクティブリハビリテーション」2006.10

脳外傷後高次脳機能障害患者に対するインタラクティブリハビリテーション

インターネットを用いた双方向性(インタラクティブ)認知訓練用ソフトおよびハードウェアをシステムとして開発し、遠方に住む患者に在宅で専門的な認知訓練を実施した。

第1章 研究の目的と背景
第2章 方法
第3章 結果
第4章 考察とまとめ
資料  訓練課題例など