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企画研究室では、リハビリテーション技術向上のため、研究開発をおこなっています。
このページでは、PET検査の概要とPET薬剤の説明、および現在行われている研究内容について説明しています。
PET検査とは?
PET(ペット)とは「ポジトロン断層撮影法」という意味です。この検査では、ポジトロン(陽電子)を放出する薬を静脈から注射したり、呼吸させたりして体内に吸収させることで、薬が心臓や脳など体のいろいろなところに集まる様子を撮影します。
PET検査でわかること
アルツハイマー病や他の認知症の早期診断
脳は神経活動にともない体内でもっともブドウ糖を消費する器官です。このブドウ糖に似た構造の[18F]FDGで脳の活動の様子を見ることができます。アルツハイマー病では側頭葉の活動が極端に低下する特徴を利用して、アルツハイマー病の早期診断や、他の認知症との鑑別診断を行っています。
パーキンソン病の診断と重症度の把握
パーキンソン病は脳にある黒質の神経細胞が減っていく病気です。黒質は筋肉に指令を出す線条体にドーパミンを使って信号を送っています。PET検査では黒質でドーパミンを作る部分や線条体でドーパミンを受け取る部分を画像化し、パーキンソン病の診断や重症度を判断することができます。
高次脳機能障害の重症度診断
[15O]gasを用いたPET検査では脳血流量、脳酸素消費量、酸素摂取率が画像で診断でき、障害の重症度分類を行うことができます。脳血管障害の患者さんでは、脳血流量の低下が起こりますが、酸素を多くとることによって酸素摂取率が高まり、脳の機能は正常に保たれます。この検査で測定される脳酸素摂取率(OEF)と脳酸素代謝率(CMRO2)は脳循環障害の評価に非常に有効で、脳血管障害がどこまで進んでいるかを判断することができます。
がんの発見と広がりの診断
がん細胞は正常の細胞より分裂が盛んに行われるため、エネルギー源となるブドウ糖を大量に取り込みます。ブドウ糖に似た[18F]FDG薬剤を投与すると、がんの病巣にたくさん集まるため、この検査ではがんが、どこにあるのか、大きさはどのくらいかがわかります。その上、全身を一度に検査できますから、予期せぬ部分に発生したがんや、転移の発見にも大変役立ちます。
現在行われている研究
心筋梗塞メカニズムの解析(対象:心筋梗塞後リモデリング心)
急性心筋梗塞において、発生後急性期から慢性期にかけて左室健常(非梗塞)部心筋にリモデリング(遠心性拡大と壁肥厚)が生じ、患者生命予後の悪化に関与することが知られている。そこで左室リモデリング心がどのようなメカニズムで梗塞心の予後を悪化させるのか、その病体をポジトロントレーサーである[11C]acetate、[11C]CGP112177を用いて解析を行っている。
[11C]acetate静注3分から5分後の早期像は心筋血流を表し、その後心筋内から酸素代謝に応じて洗い出しが起こる。[11C]acetateは心筋代謝基質の血中濃度、ホルモンレベルにほとんど依存しないため、FDGと異なり安定した画像を得ることができる。
CGP12177はβ1、β2非選択的βアドレナリン受容体拮抗作用を有する化合物である。血中に投与された[11C]CGP12177およびCGP12177は組織に移行し、βアドレナリン受容体に選択的に結合する。したがって、投与後の放射能分布をPETで測定することによって、βアドレナリン受容体の結合能を評価することができる。
企画研究室では、ホットラボとサイクロトロンを所有し、多様な短寿命放射性同位元素標識薬剤を製造しています。これらの薬剤は、ポジトロンCTを用いた最先端の検査を支えています。


利用薬剤の例
ファジィニューラルネットワークと呼ばれる人工知能プログラムを用いることで、アルツハイマー病の方に見られる脳波の変化をコンピュータに学習させ、 現在どの程度の重症度であるかを脳波から推定することが可能になりました。
現在のアルツハイマー病の重症度と同様に、アルツハイマー病の方に対して脳波を何度も測定した結果をファジィニューラルネットワークに学習させることで、 新しくみえた方の初回の検査結果をもとに数年後のアルツハイマー病の重症度をある程度予測することも可能となりました。

近年MRIやポジトロンCTなどの放射線診断画像を統計的に処理するソフトウェアが開発され、健常者と比較して認知症の方では脳のどの部位で萎縮が起きたり、 血流が低下したりしているかを客観的に知ることができるようになってきました。これらのデータを用いて、認知症の早期発見をめざした研究を行っています。
[18F]FDGによるアルツハイマー病患者のポジトロンCT画像