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研究活動

ポジトロンCTの紹介

ポジトロンCTは体内で生じる活動の様子を観察できる検査法です!

レントゲン、CT、MRIは主に組織の姿・形を観察するための検査(形態画像)であるのに対し、ポジトロンCTは生理学的な情報を画像化し、生体の機能を観察することができる検査(機能画像)です。このページでは、ポジトロンCT検査の概要と使用する薬剤について説明しています。


ポジトロンCT(PET)検査とは?

PETカメラ外観

ポジトロンCTとは「陽電子断層撮影法」という意味で、PET(ペット)と呼ばれています。この検査では、ポジトロン(陽電子)を放出する薬を静脈から注射したり、呼吸させたりして体内に吸収させることで、薬が心臓や脳など体のいろいろなところに集まる様子を撮影することができます。

検査撮影例

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PET検査でわかること

リハビリテーションセンターではいろいろなPET検査が行われています。

1. 高次脳機能障害の診断

Ogas画像例

頭部外傷後に高次脳機能障害を呈するが、MRIで明らかな異常所見がなく、客観的な検査成績に乏しい症例を正確に診断するためには脳の血液や酸素の循環代謝の評価が必要です。脳血管障害の患者さんでは、脳血流量の低下が起こりますが、酸素を多くとることによって酸素摂取率が高まり、脳の機能は正常に保たれます。この検査で測定される脳酸素摂取率(OEF)と脳酸素代謝率(CMRO2)の測定は、脳循環障害の評価に非常に有効で、脳血管障害がどこまで進んでいるかを判断することができます。

[15O]Gas・・・脳血流量、脳酸素消費量、酸素摂取率の測定

2. アルツハイマー病や他の認知症の早期診断

脳は神経活動にともない体内で最もブドウ糖を消費する器官です。このブドウ糖に似た構造を持つ[18F]FDGを用いた検査で、脳の活動の様子を見ることができます。アルツハイマー病は側頭葉の活動が極端に低下する特徴を利用して、アルツハイマー病の早期診断や、他の認知症との鑑別診断を行っています。また、当センターでは最近注目を浴びている[11C]PIB検査も行っています。アルツハイマー型認知症はアミロイドβ蛋白という物質が、病気を発症する10年以上前から脳への蓄積が始まると考えられています。[18F]FDG検査よりも早期の段階でアルツハイマー病の診断ができる可能性があり、アルツハイマー型認知症の超早期診断、抗アミロイド療法の治療効果判定への有効性が期待されています。

[18F]FDG…脳の糖代謝
[11C]PIB…アミロイドβ蛋白の分布

3. 神経難病の診断と重症度の把握

神経難病画像例

脳内にはたくさんの脳神経細胞がつながっており、神経細胞間の興奮の伝達は神経伝達物質の放出と受容によって行われています。この神経伝達物質の合成や貯蔵、受容などの過程を知ることで、様々な疾患の状態を知ることができます。



パーキンソン病の場合は、脳にある黒質の神経細胞が減っていく病気です。黒質は筋肉に指令を出す線条体にドーパミン(神経伝達物質)を使って信号を送っています。PET検査では黒質でドーパミンを作る部分(ドーパミンの合成)や線条体でドーパミンを受け取る部分(ドーパミンの受容体)を画像化し、パーキンソン病の臨床診断や重症度を判断することが出来ます。

パーキンソン病の確定診断には、剖検による病理診断が必須ですが、[11C]BF-227を用いたPET検査によりパーキンソン病に多く認められるレビー小体(主成分α-シヌクレイン)の画像化が可能です。パーキンソン病の生前確定診断の有効性確立と臨床応用を目指しています。

[18F]F-DOPA…ドーパミン合成
[11C]NMSP…ドーパミン受容体
[11C]BF-227…α-シヌクレイン蛋白

4. 心不全における心筋血流・心筋代謝・自律神経機能の評価と病態把握

心臓画像例

心不全は心臓のポンプとしての機能が衰え、血液の送り出しが不十分になったり、戻ってきた血液をうまく取り入れられなくなった状態をいいます。心筋血流量を測定することで、心筋梗塞の部位診断および、肥大型心筋症や拡張型心筋症で心筋変性を生じた部位での血流低下を検出することができます。そのほかに、心筋の主なエネルギー源である脂肪酸代謝の測定、酸素消費量を測定できる酢酸の動態解析、心筋の動きを支配する交感神経機能を画像化し、様々な角度から心不全の病態把握を行っています。


[11C]Palmitate…脂肪酸代謝
[11C]Acetate…心筋血流と酸素代謝
[11C]CGP12177…βアドレナリン受容体の結合能
[13N]NH3…心筋血流
[11C]mHED…心筋交感神経機能

5. がんの発見と広がりの診断

がん細胞は正常の細胞より分裂が盛んに行われるため、エネルギー源となるブドウ糖を大量に取り込みます。ブドウ糖に似た[18F]FDG薬剤を投与すると、がんの病巣にたくさん集まるため、この検査ではがんの場所、大きさがわかります。その上、全身を一度に検査できますから、予期せぬ部分に発生したがんや、転移の発見にも大変役立ちます。

PET薬剤の合成

リハビリテーションセンターでは、ホットラボとサイクロトロンを所有し、多様な短寿命放射性同位元素標識薬剤を製造しています。これらの薬剤は、PETを用いた最先端の検査を支えています。

サイクロトロン
住友重機械工業株式会社製Cypris 370型
加速エネルギー:Proton 18 MeV, Deuteron 10 MeV

ホットラボ・薬剤合成装置等
住友重機械工業株式会社製

名古屋市総合リハビリテーションセンターにおける院内製剤導入の歴史

年度事柄
平成元年名古屋市総合リハビリテーションセンターオープン
開始時院内製剤[18F]FDG(AcOF法)
[15O]Gas、[15O]H2O
[13N]NH3(還元法)
平成3年[11C]NMSP、[11C]MET臨床導入
平成7年[11C]Acetate臨床導入
平成8年[18F]F-DOPA臨床導入
平成9年[13N]NH3臨床導入
[18F]FDG(anion法)臨床導入
平成11年[11C]Palmitate臨床導入
平成12年[11C]Flumazenil臨床導入
平成14年[18F]FDG(医療用具)臨床開始
平成18年[11C]CGP12177臨床導入
平成19年[11C]PIB臨床導入
平成20年[11C]mHED臨床導入
平成21年[18F]FDG(医療用具)合成装置更新
平成23年[11C]BF-227臨床導入